今年の夏、ブロックチェーンベースの予測市場ポリマーケット(Polymarket)での選挙関連ベッティング(賭け)は、民主党がジョー・バイデン氏からカマラ・ハリス氏に大統領候補者を変更するという(正しい)予測から大盛り上がりを見せた。取引高は投票日まで増え続けた。
しかし、このプラットフォームのトレーダー数が選挙後も堅調に推移するかどうかについては、ずっと疑問が残っていた。
選挙当日、ゲームとVCの大手アニモカブランズ(Animoca Brands)のリサーチ部門は、大胆なレポートを発表した。ポリマーケットについて、心配することは何もないと述べた。同レポートによれば、ポリマーケットには、その後の存続を心配することはないほどの、選挙とは無関係なベッター(賭けをする人)の盤石な基盤があるという。
当然ながら、ユーザー数は減るだろう。トランプ氏が関与する政治的対決ほど魅力的なものがあるだろうか? しかし、ゴーストタウンにはならないだろう。アニモカは、ポリマーケットユーザーの4分の3は選挙とは無関係の賭けをしていると指摘した。
それから約1カ月、どうやらその分析は正しかったようだ。
追跡すべき重要なデータは、ポリマーケットの建玉だ。建玉とは、ポリマーケットにおけるアクティブポジションの総額であり、同プラットフォームの流動性、ユーザーアクティビティ、エンゲージメントを反映している。
デューン・アナリティクス(Dune Analytics)のダッシュボードによると、建玉は選挙当日に4億7500万ドル(約713億円、1ドル=150円換算)超えのピークを記録し、予想通り、その後の数日間で大幅に減少したが、再び増加に転じた。
データによると、建玉は11月12日に9391万ドルまで下落したが、その後は徐々に上昇。11月15日には1億400万ドルに達し、さらに11月30日には1億1525万ドルに達した。これは、選挙フィーバーに沸いた9月中旬の建玉と同じ水準であり、決して悪い数字ではない。
同様に、1日の取引高は、選挙翌日のピーク時の3億6700万ドルから大幅に減少したものの、8桁台半ばから後半で推移しており、これは9月よりも高い。
次に注目すべき指標は、プラットフォーム上のアクティブウォレット数だ。
プラットフォーム上でのアクティブトレーダー数を反映するこの指標はここ1週間、3万台半ばで推移しており、平均3万9100のアクティブウォレットが稼働していた選挙日までの1週間と比較しても、大幅に低下しているわけではない。
ではポリマーケットは、少数のクジラに依存して取引高を維持しているのだろうか? そうでもないようだ。
データによれば、ベット(賭け)の約60%が100ドル以下で、1000〜5000ドルのベットはわずか5.8%に過ぎない。
ポリマーケットはこれからも存続していくだろう。だが、暗雲は残っている。法的問題を解決する必要があるからだ。
しかし、トランプ次期大統領が暗号資産フレンドリーな規制体制を導入すれば、すぐに解決するかもしれない。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Shutterstock
|原文:Polymarket Retains Loyal User Base a Month After Election, Data Shows