企業のビットコイン財務戦略が加速──次はXRPか?
  • ナスダックに上場する小規模企業のワークスポートは、現金準備金の一部をビットコインとXRPに投資する計画。
  • 同社は現金準備金の10%、最大500万ドル(約7億5000万円、1ドル150円換算)を暗号資産に配分すると発表したが、この比率は将来変更される可能性がある。
  • 同社のCEOであるスティーブン・ロッシ氏は、以前から個人的にXRPに投資しており、分散化を強く信じているとインタビューで語った。

ナスダックに上場する小規模企業で、ピックアップトラックの荷台用カバーメーカーのワークスポート(Worksport)は、マイケル・セイラー(Michael Saylor)氏のマイクロストラテジー(MicroStrategy)が導入して有名になった、ビットコイン(BTC)を購入するという最近人気の企業戦略に、独自の工夫を加えた。

ニューヨークを拠点とする時価総額2000万ドル(約30億円)の同社は、現金準備金の最大10%を、ビットコインとリップル(Ripple)社のネイティブ暗号資産(仮想通貨)エックス・アール・ピー(XRP)に投資する計画だ。現時点で、投資額は最大500万ドル(約7億5000万円)に相当する。

このシフトは、同社の資産をインフレから守り、取引効率を高めるためのものだと同社は述べた。

XRPへの注目

ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が1カ月前に当選して以来、少なくとも他の12社が、余剰資金をビットコインで蓄える計画を発表した。だが、時価総額が第3位の暗号資産であるXRPをワークスポートが採用したことは、これらの計画とは異なる。

「XRPは、より安定した通貨と資産になりつつあると思う。短期的には多くの資産と同じように変動するだろうが、今後十分に安定し、現金で部品を製造して上昇の可能性を享受できるほどの価値をもたらすと考えている」と同社の創業者兼CEO、スティーブン・ロッシ(Steven Rossi)氏はインタビューで語った。

ロッシ氏は個人的に数年間XRPに投資しており、企業が分散型資産を所有することは非常に重要だと考えているとCoinDeskに述べた。

「自分のウォレットを見て、XRPが最近かなり好調だと知ったとき、私はうれしい驚きを感じた。そして、XRPが中央銀行に真に挑戦する初期の資産であることを再確認した」とロッシ氏は語った。

株価への影響

これまで、財務準備金を多様化する計画を発表した企業の多くは、ビットコイン購入前にもかかわらず、株価が上昇する傾向が見られた。

同社の株価は過去5年間で65%下落している。

「当社のような小規模な発行体の市場は、やや遅れている」とロッシ氏は述べたうえで、「市場がポジティブにも否定的にもネガティブにも反応することは、当然予想している。だが、我々のような現金を生み出す企業は、一部の発行体のように生き残るために株価にそれほど依存していない」と付け加えた。

|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:Worksport
|原文:Corporate Bitcoin Treasuries Are All the Rage. Now XRP?