- 12月5日の高波ローソク足パターンは、最近の強気優勢からの転換を示唆しており、混乱を意味する。
- このパターンは、記録的な高値で投機を急ぐFOMOトレーダーに警戒を促している。
「取り残されることへの恐れ(fear of missing out:FOMO)」から、ビットコイン(BTC)に衝動的に投資しようとしているトレーダーは、市場が今、著しく混乱していることに注意すべきだ。これは、最近の強気相場の勢いから離れた動きだ。
混乱は12月5日のBTCの取引でも明らかで、最終的に10万3900ドル近くまで上昇し、過去最高値を更新したものの、その後9万1100ドルまで急落し、最終的に協定世界時(UTC)の1日を約9万7000ドルで終えたことが、TradingViewとCoinDeskのデータから明らかになった。取引レンジが非常に大きかったため、11月20日以降の価格変動をすべて飲み込んだ。
これにより、「高波(High Wave)ロウソク足」が形成された。これは、始値と終値の差を示す小さな実体と、1日の価格変動が通常よりも大幅に変動したことを示す長いヒゲが特徴だ。
これは、強気派が完全に主導権を握っているわけではないことを示す兆候であり、売り手が再び力を取り戻そうとしていることを意味する。この兆候は、現時点で市場を追いかけることを考えている人々にとって、警戒すべき指標となる。このパターンが記録的な高値で現れ、注目されている10万ドルを超える水準を維持できなかったことを考えると、この警告はさらに重要になる。
「長い上ヒゲは、取引開始後しばらくしてから、買い圧力がその有価証券の価格を大幅に上昇させたことを意味する。同じ取引時間中に、売り圧力が価格を大幅に下落させている。しかし、取引終了時には、価格はほぼ開始価格まで戻った。これは混乱だ」と、CMTの高波ローソク足の解説では述べられている。
高波ローソク足は、その長いヒゲ(ローソク足の上下の部分)が大きな海の波に似ていることから、日本のトレーダーによって名付けられた。
高波ロウソク足とモメンタム指標である相対力指数(RSI)の弱気なダイバージェンスが組み合わさった場合、市場トレンドは調整局面を迎えるか、一時的に弱気な展開に転じる可能性がある。弱気なダイバージェンスは、モメンタムオシレーターであるRSIが価格の高値更新を確認しない場合に発生する。
このメッセージは、ロングポジションの過密状態と価格の反落の可能性について懸念を表明する複数のアナリストの意見と一致している。
さらに、5日のレンジ内に価格が留まっている間は方向性のある取引が難しくなり、市場の混乱が続いていることを示している。レンジを下回れば、より多くの売り手が市場に参入する可能性がある。逆に、5日の高値を上回る動きがあれば、強気トレンドの再開を示唆することになる。
注目すべきは、デリビットに上場されている12月末に満期を迎えるビットコイン・コールの価格は、プットよりも3倍のボラティリティプレミアムで取引されており、5日に見られた5倍以上から下落しているというデータがAmberdataから発表されていることだ。この変化は強気な見方が弱まっていることを示している。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:FOMO Traders Beware, Bitcoin’s ‘High-Wave’ Price Action Points to Confusion: Godbole