- トランプ次期大統領は、「AI・暗号資産担当長官」を新設し、ベンチャーキャピタリストで元ペイパルのCOO(最高執行責任者)のデビッド・サックス(David Sacks)氏を任命する。
- このニュースで暗号資産dYdX(DYDX)が30%急騰、同氏率いるクラフト・ベンチャーズ(Craft Ventures)が、DEX(分散型取引所)を手がけるdYdXに投資しているためだ。
- サックス氏の職務には、暗号資産業界の法的枠組みの策定支援も含まれるとトランプ氏は述べた。
トランプ次期大統領は5日夜、次期政権に「AI・暗号資産担当長官(AI and Crypto Czar)」を新設し、デビッド・サックス氏をその職に指名したとTruthSocialに投稿した。
「デビッドは、人工知能と暗号資産において政権の政策を導くことになる。この2つの分野は、将来の米国の競争力にとって重要だ。デビッドは、両分野において米国を明確なグローバルリーダーとすることに注力する」
サックス氏は、2018年3月にマルチコイン・キャピタル(MultiCoin Capital)の有限責任パートナーに就任したほか、暗号資産カストディ企業のビットゴー(BitGo)や暗号資産投資会社ビットワイズ(Bitwise)に投資するクラフト・ベンチャーズの共同創業者兼ゼネラルパートナーでもある。
このニュースを受けて、DEX大手dYdXのネイティブトークンdYdXは30%以上も急騰した。サックス氏率いるクラフト・ベンチャーズはdYdXの初期投資家であり、1000万ドルを調達したシリーズAラウンドに参加した。
トランプ氏は、サックス氏の職務のひとつは「オンラインでの言論の自由を守り、ビッグテックの偏向や検閲から我々を遠ざけること」と述べた。
さらに「法的枠組みを構築し、暗号資産業界が求めてきた明確性を提供し、米国で繁栄できるようにするだろう」と続けた。
サックス氏は、米決済大手ペイパル(PayPal)の元COO(最高執行責任者)として、イーロン・マスク氏と仕事をしてきた。つまり「ペイパル・マフィア」の一員だ。PayPalマフィアは、テスラ(Tesla)、リンクトイン(LinkedIn)、パランティア(Palantir)、YouTubeといった大手テック企業を生み出している。
|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
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|原文:DYdX Surges 30% as Trump Names David Sacks as ‘AI and Crypto Czar’