- ビットコインは11月、36%上昇。これは2021年10月以降で、4番目の上昇率だ。
- 現在のビットコイン市場は、強気相場が始まった2020年第4四半期と似たような状況になっている。
11月30日、ビットコイン(BTC)の月足ローソクに注目が集まった。ビットコインは、心理的な壁とされる10万ドル(約1500万円、1ドル150円換算)まであと数%に迫っていた。29日に90億ドル相当のオプション契約が満期を迎えたが、ビットコインはわずかに上昇し、9万6000ドル(約1440万円、1ドル150円換算)を超えた。
CoinGlassのデータによると、11月はビットコインにとって、ここ数年で最も好調な月の1つとなった。当記事執筆時点で36%以上上昇し、2021年10月以降で4番目に好調だった。
11月の上昇率は、2024年2月(44%)、2023年1月(40%)、2021年10月(40%)に次ぐものだ。11月の素晴らしいパフォーマンスは、トランプ氏の大統領選での勝利が大きく影響した。
四半期で見ると、まだ12月が残っているが、ビットコインは51%上昇。12月のリターンは平均5%で、2024年第4四半期(10-12月期)は、69%の上昇を記録した第1四半期(1-3月)以来の好調さだ。
アナリストのケイレブ・フランゼン(Caleb Franzen)氏は、現在のビットコインの強気市場にはまだ余力が残っていると考えている。
「下図はビットコインの月足チャートとRSI。ビットコインの強気相場は、月のRSI(相対力指数)が90を超える水準でピークを迎えることが多い。現在は75。歴史的に見ると、強気相場は下降トレンドラインが示すように、RSIの低下とともにピークを迎える」とフランゼン氏は述べた。
「これはモメンタム(勢い)はまだ『過熱』しておらず、今後数カ月または数四半期にはさらなる上昇余力をあることを意味する」
2020年第4四半期と類似
ビットコインは2020年第4四半期と似たような市場構造になっている。両期間とも10月と11月に大幅な上昇があり、2020年の感謝祭期間には調整が見られた。2020年末には1万ドルの心理的障壁を決定的に超え、2021年4月までに6万ドルまで上昇した。
グラスノード(Glassnode)のデータによると、短期保有者の実現価格(STHRP)を上回った場合、ビットコインは強気相場にあることを意味する傾向がある。2020年第4四半期、ビットコインは価格上昇を続けるなか、一貫してSTHRPをサポートレベルとしていた。
今後の予想としては、ビットコインは上昇を続け、2020年第4四半期と同様にSTHRPをサポートレベルとする可能性がある。STHRPは、過去155日以内に移動されたビットコインの平均オンチェーン取得価格を表す(取引所準備金は除く)。
また、実現価格(全供給量の平均オンチェーン取得価格)と長期保有者の実現価格(LTHRP)との乖離が拡大している。LTHRPは、過去155日以内に移動していないビットコインの平均オンチェーン平均取得価格を表す。
乖離の拡大は、新規参加者が市場に参入している一方で、長期保有者が利益確定していることを示している。
|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:短期保有者(赤)と長期保有者(青)の平均オンチェーン取得価格、オレンジは実現価格、黒はビットコイン価格(Glassnode)
|原文:Bitcoin Set to Have Its Fourth Strongest Month Since October 2021