分散型デリバティブ取引所Derive、総預かり資産が1億ドルを突破
  • 構造化プロダクトプロトコルのDeriveの総預かり資産が1億ドルを突破した。
  • 最近では、BTCのカバードコール戦略で160万ドル以上のプレミアムを獲得した大口投資家もいた。
  • トレーダーは、利回りの差で利益を得るために、sUSDeを預け入れ、USDCを借りている。

CoinDeskは先週、ビットコイン(BTC)やその他の暗号資産(仮想通貨)に紐づくデリバティブの需要が高まっていると指摘し、「オプションが溢れている」と伝えた。現在、分散型金融(DeFi)における記録的な活動という形でさらなる証拠が浮上している。DeFiは、ユニークでプログラム可能なオンチェーンオプション、パーペチュアル、ストラクチャード商品を提供する。

「Derive.xyzの市場調査から、取引量とアクティブトレーダー数が記録的だった週の最中に、初めて総預かり資産が1億ドル(約150億円、1ドル=150円換算)を超え、著しい成長と活発化が明らかになった」と、分散型デリバティブ取引所Deriveのリサーチ部門責任者であるショーン・ドーソン(Sean Dawson)氏は、CoinDeskに電子メールで述べた。

「Derive.xyzでは、米ドル建ての利回りが10%に達した。また、想定元本は3億6900万ドル(約553億5000万円)で過去最高を記録し、月間取引件数は5416件だった」とドーソン氏は付け加えた。

Deriveのプラットフォームは、取引の決済レイヤーであるDeriveチェーン、パーペチュアル、オプション、スポットの許可不要の自己管理型証拠金取引を可能にするDeriveプロトコル、そしてオーダーブックであるDeriveエクスチェンジで構成されている

Deriveにおける記録的な活動は、暗号資産や現物ETF、株式などの暗号資産関連の投資手段に関連したオプションへの広範な需要と一致している。

オプションとは、購入者にあらかじめ定められた価格で後日、原資産を売買する権利を与えるデリバティブ契約だ。コールは購入する権利を与えるもので、市場に対して強気の賭けを意味する。一方、プットは弱気の賭けを意味する。

クジラがBTCコールを売却

先週、クジラ(大口保有者)が現物市場でのロングポジションに対してBTCコールを売却し、160万ドル(約2億4000万円)以上のプレミアムを獲得した。この、いわゆるカバードコール戦略では、行使価格が10万5000ドルから13万ドルの3月満期コールオプションのショートポジションが含まれていた。

3月末までにBTCが10万5000ドルを下回った場合、クジラはプレミアムを維持することになる。逆に、スポット市場でのロングポジションは、13万ドルを超える可能性のあるラリーによる損失を補うことになる。

トレーダーの間で人気のあるもう一つの戦略は、ステーキングによって得られる報酬付きトークンであるsUSDeを担保としてDeriveに差し入れ、他のレンディングプロトコルよりも大幅に低い金利でUSDTコイン(USDC)を借り入れるというものだ。同じものが再びsUSDeを購入するために使用され、このサイクルが繰り返される。

いわゆるDeFiキャリートレードでは、sUSDeの年率28%の利回りから、Deriveで継続中のUSDC借入金利約18%を差し引いたプラスのスプレッドにより、2桁の収益が得られる。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Derive Protocol Crosses $100M in Value Locked as Bitcoin Whales Make Waves in Options Trading