XRP、ビットコインを上回るパフォーマンス──米CPI発表を前にドージコインは下落を拡大
  • ビットコイン(BTC)はほぼ9万8000ドルで安定した動きを見せたが、イーサリアム(ETH)、バイナンスコイン(BNB)、カルダノ(ADA)は2%近く下落した。
  • パウエルFRB議長は以前、今後発表される経済データが金利決定に大きな影響を与えると述べていた。
  • XRPのクジラによる取引所への預け入れは12月10日の早朝に6カ月ぶりの高水準を記録し、短期的な弱気圧力を示した。

12月11日のアメリカの消費者物価指数の発表を前に、エックス・アール・ピー(XRP)はビットコイン(BTC)や他の主要な暗号資産(仮想通貨)を上回り、ドージコイン(DOGE)は損失を主導した。

ビットコインは9万8000ドル前後で安定した動きを見せた一方で、イーサリアム(ETH)、バイナンスコイン(BNB)、カルダノ(ADA)は2%近く下落した。ミームコインは、DOGEが4%下落したが、柴犬コイン(SHIB)とフロキ(FLOKI)は1%上昇した。幅広い銘柄を対象とするCoinDesk 20指数(CD20)は0.69%上昇した。

アメリカ労働統計局(BLS)は、アメリカ東部時間の12月11日午前8時半(日本時間:午後10時半)に11月の消費者物価指数(CPI)を発表する予定だ。ジェローム・パウエル(Jerome Powell)連邦準備制度理事会(FRB)議長は、今後発表される経済データが金利決定に大きな影響を与えると述べており、これが新年の暗号資産市場に影響を与える可能性がある。前月のデータでは、インフレがFRBにとって引き続き懸念事項であることが示された。

一方、関連会社のリップル・ラボ(Ripple Labs)がアメリカでステーブルコインのRLUSDを提供するための「最終的な」規制当局の承認を得たと発表したことを受け、XRPは12月9日以降の損失から一転して、最大7%急騰した。

このステーブルコインはXRP Ledgerとイーサリアム(Ethereum)ネットワークの両方で発行され、XRPが関わる分散型金融(DeFi)アプリケーションで使用できる可能性があり、エコシステムを後押しするだろう。

この発表の前、10日の早朝には、XRPの大量保有者(クジラ)による取引所への預け入れが6カ月ぶりの高水準に達し、短期的な弱気圧力が示された。過去30日間で、26億6000万XRP以上がバイナンス(Binance)に移されたことが、CryptoQuantのデータから明らかになっている。これは2024年4月以来の最高水準だ。

「大量の流入は、XRPの大口保有者がネットワーク上でXRPを積極的に移転していることを示唆している」と、CryptoQuantの独立系アナリストmaartunn氏は投稿で述べた。「これらのプレーヤーは自由に使える資産を大量に保有しているため、大口の預け入れは戦略の潜在的な変化を示すことが多い」。

バイナンスへのXRPの大量移動は、2023年11月と2024年4月の価格下落に先行していた。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:XRP Outperforms Bitcoin, Dogecoin Extends Slide Ahead of U.S. CPI