- 9月以降、長期保有者は84万3000BTC以上を売却した。一方、同期間に短期保有者は100万BTC以上を蓄積した。
- マイクロストラテジーとアメリカの現物ETFは、9月以降それぞれ約20万BTCを蓄積した。
- 先物、現物、ETFの取引高を合わせた総取引高は現在1日あたり1000億ドルを超えている。
11月5日にドナルド・トランプ(Donald Trump)氏がアメリカ大統領選挙で勝利して以来、ビットコイン(BTC)は6万7000ドルから約10万ドル(約1500万円、1ドル150円換算)まで急騰した。これと同時に、ビットコインの総取引高の大幅な増加が生じた。総取引高は現在1日あたり1000億ドル(約15兆円)を超えている。
チェックオンチェーン(checkonchain)のデータによると、ビットコイン先物取引高は11月17日に約1200億ドル(約18兆円)で過去最高を記録し、アメリカ大統領選挙以降でほぼ倍増した。しかし、それ以降は横ばいとなり、1000億ドル前後で安定している。
同様の傾向が現物取引高にも見られ、約60億ドルから120億ドル(約1兆8000億円)へと倍増している。一方、アメリカの現物ETF(上場投資信託)の取引高も増加し、1日当たり40億ドルに達している。
ビットコインは10万ドルの重要な取引レンジにとどまっており、この心理的に重要な水準を何度も上下している。これは主に、155日以上ビットコインを保有している長期保有者からの巨大な売り圧力によるものだ。
9月以降、長期保有者は84万3113BTCを売却した。同期間に、155日未満の保有者である短期保有者は108万1633BTCを蓄積した。1日あたりで見ると、長期保有者が9960BTCを売却し、短期保有者が1万2432BTCを蓄積していることになる。
長期保有者と短期保有者の取引高の差がどの程度かを示すために、マイクロストラテジー(MicroStrategy)のような業界の大手プレイヤーと比較してみる。ビットコイン開発企業を自称するマイクロストラテジーは42万3650BTC、つまり総供給量の2%強を保有している。さらに、アメリカのETFは現在100万BTC以上を保有している。
9月以降、マイクロストラテジーは19万7250BTCを蓄積しており、1日あたり約2168BTCに相当する。一方、アメリカのETFは約20万5000BTCを蓄積しており、1日あたり2253BTCに相当する。アメリカのETFのビットコイン残高は91万6000BTCから112万BTCに増加した。
ビットコインが10万ドルを決定的に突破するためには、長期保有者がトークンの売却を控えるか、より大規模な集団が市場に参入して買いを引き受ける必要がある。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Glassnode
|原文:Larger Cohorts Than U.S. ETFs or MicroStrategy Are Dictating Bitcoin Price: Van Straten