メルカリ、イーサリアム保有に年率3.0%で毎月ポイント付与──口座数300万突破(更新)

メルカリの子会社で暗号資産(仮想通貨)サービスを展開するメルコインは12月18日、メルカリ内でイーサリアムを保有しているだけで、毎月、メルカリポイントがもらえる新機能を開始すると発表した。新機能は18日から段階的に展開される。

メルカリの暗号資産取引サービスは2023年3月にスタート。当初はビットコイン(BTC)が売買できるサービスとしてスタートし、サービス開始7カ月後の2023年10月には口座数が100万を突破。2024年2月にはビットコインを使って商品を購入できるサービスを開始、5月には口座数が200万を突破するとともにイーサリアム取引を追加。8月にはビットコイン積立機能、10月にはイーサリアム積立機能を開始した。

11月に発表された決算発表によると、メルコインの2025年6月期第1四半期(2024年7-9月期)の暗号資産取引による収益は2億7100万円。前年同期の3000万円から約9倍に伸びている。

また口座数も「ちょうど昨日時点で300万を超えた。ジャストタイミングで発表できてうれしい」とプレゼンテーションを行ったメルコイン代表取締役CEOの中村奎太氏は述べた。そのうち、86%は暗号資産取引が初めてのユーザーという。

またメルカリの売上金の使い道の中でも「暗号資産の購入」が40.9%と買い物に次いで2位となった。「メルペイ・メルカードの清算」を上回ったことは、暗号資産の購入はメルカリユーザーの「非常に高い関心を集めている」だろうと中村氏は続けた。

新機能のポイント付与は「暗号資産を持つことの価値を増やす」ことで同社の「暗号資産取引サービスを進化させる」ものだ。対象となるのはイーサリアム(ETH)のみだが、メルカリ内で保有するだけでポイントが付与される。申し込みなどは不要、ポイントはメルカリでの買い物や精算、暗号資産の購入にも使用できる。

ポイントの想定年率は3.0%。メルカリ内でイーサリアムを保有している全員が対象となり、2025年1月からイーサリアムを保有していれば、毎月、ポイントが付与されるようになる。

3.0%という年率に対しては、「一般的なステーキングの利回りよりも低いのではないか」との質問が出たが、他社では手数料が別になっているケースがあり、「実は3%を切るところが多い。水準としては結構高いところにある」と中村氏は述べた。

また「ポイントになっていることが特徴」であり、メルカリエコシステム全体の中で、「ポイント還元率を拡大していく余地もある」と語った。

さらにポイントは180日の有効期限があるが、「暗号資産に変えてもらうと期限がなくなる」と説明。さらに今後、キャンペーンを展開し、メルカリの累積利用者4800万人、年間流通総額(GMV)1兆円という規模を活かし、「暗号資産をもっと身近なものにし、利用者をさらに拡大していきたい」と中村氏はプレゼンテーションを結んだ。

プレゼンテーションの途中には、18日よりメルコインはイーサリアムのステーキングを開始するとの発表もあった。ただし、ステーキング報酬が直接的にこのポイントの原資になっているわけではなく、それも含め、エコシステム全体を捉えて、3.0%のポイント付与をスタートさせるとした。

またビットコインについては、チェーン自体にステーキング機能があるイーサリアムと違って、ステーキング機能がないため、今回はポイント付与の対象となっていないが、ステーキング類似サービスなどを利用して、将来的にはビットコイン保有に対するポイント付与も実現していきたいと語った。

|文:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:メルカリ提供