- ビットコインやその他の主要な暗号資産は3日連続で下落した。
- シンガポールを拠点とするQCPキャピタルのトレーダーは、この市場の暴落は過去1カ月の強気過ぎるセンチメントが原因だと指摘した。
- ビットコインの下落は、強気相場の中で起こっている。
ビットコイン(BTC)やその他の主要な暗号資産(仮想通貨)の損失は3日連続で拡大し、今週のアメリカ連邦公開市場委員会(FOMC)後のリスク回避の動きや、利食い売りが重苦しい市場心理に拍車をかけた。
BTCは過去24時間で4.2%下落し、ソラナ(SOL)、イーサリアム(ETH)、カルダノ(ADA)は9%下落した。ドージコイン(DOGE)は11%下落し、最も大きく値を下げ、1週間の損失は21%以上に拡大した。
時価総額上位のトークンを指数化したCoinDesk20指数(CD20)は5.5%下落した。この下落は先物市場にも波及し、過去24時間で8億9000万ドル(約1379億5000万円、1ドル=155円換算)以上のロングとショートによる清算が行われた。
タカ派的なFOMCへの反応により、12月18日と19日にすべてのリスク資産が急落した。連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル(Jerome Powell)議長が2025年に数回の利下げを示唆したFOMC以降、ナスダック(Nasdaq)は3.5%、S&P500は2.9%下落し、BTCは6%以上下落した。
その後、パウエル議長はFOMC後の記者会見で、次期大統領のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏がビットコインの戦略備蓄を約束したことに関する質問に対して、現行の規制では中央銀行がビットコインを所有することは認められていないと述べた。
シンガポールを拠点とするQCPキャピタル(QCP Capital)のトレーダーは、この1カ月の強気過ぎるセンチメントが市場の暴落の原因だと指摘した。
「FRBのタカ派的な利下げを売り崩しの原因として非難するのは簡単だが、我々は、この暴落の根本的な原因は市場の強気過ぎるポジショニングだと考えている」と、QCPはテレグラムのブロードキャストで述べた。
「アメリカの選挙以来、リスク資産は一方的に上昇し、市場はあらゆるショックに対して極めて脆弱な状態にある。FRBの25ベーシスポイントの利下げは予想されていたが、パニックの要因はドット・プロットの下方修正にある。持続的なインフレにより、FRBは2025年の利下げを2回と予測しているが、市場のコンセンサスでは3回の利下げが予想されていた」とQCPは付け加えた。
ビットコインの下落は、この資産にとって、そのこと以外は強気な時期の真っ只中に起こった。
12月は通例「サンタクロースラリー」と呼ばれる動きでビットコインにとって強気な時期となる傾向がある。過去8年間のデータによると、2015年以降、ビットコインは6回、12月をプラスで終えており、少なくとも8%から最大46%(例外的な2020年)上昇している。
季節性とは、資産が毎年繰り返し、規則的かつ予測可能な変化をする傾向のことだ。一見ランダムに見えるかもしれないが、その理由としては、4月と5月のアメリカの確定申告シーズンに利益確定売りが出ることによるドローダウンから、ホリデーシーズンを前に需要が高まる兆候である11月と12月の強気相場まで、さまざまなことが考えられる。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Dogecoin’s 11% Drop Leads Losses in Crypto Majors as Bitcoin Sours Festive Mood