- 全ビットコイン投資家の実現価格は、ビットコインの誕生以来では4万1000ドル以上、2024年に限っては6万5900ドルだった。
- 昨年の購入者は、平均して約40%の未実現利益を抱えている。
- 2025年開始時点での平均コスト基準では約9万5500ドルであり、直近数日間の購入者はやや利益を得ていることが示されている。
ビットコイン(BTC)の価格は昨年2倍以上になったかもしれないが、実現価格と呼ばれる指標によると、2024年にビットコインを購入した投資家は平均してその一部しか手にしていない。
実現価格は、暗号資産(仮想通貨)が最後にオンチェーンで移動された価格で計算された、全ビットコインの平均価値だ。2009年の誕生以来のビットコインの実現価格は約4万1000ドル(約636万円、1ドル155円換算)だが、昨年購入されたビットコインについては12月31日時点で約6万5901ドルだった。市場価格が約9万3000ドルで年を終えたことから、2024年の購入者は平均して約40%の未実現利益を抱えていることになる。
実現価格のモニタリングは、個々の参加者の全体的な損益とコスト基準を理解する上で重要だ。これは、昨年の投資家にとって損益分岐点となる価格水準に戻るまでにはビットコインが約31%下落する必要があることを意味する。アメリカの現物ETF(上場投資信託)は1月11日にデビューしたが、これは年初に十分近いため、こうしたETFのコスト基準の良い近似値となる。
この水準をモニタリングするのにはもう一つの理由がある。ビットコイン価格が2024年の実現価格を下回ったとき、それはビットコイン価格の局所的な底値を示す傾向があった。これはETFの発売後の1月に一度、そして年の中頃に数回発生した。2024年群のコスト基準をモニタリングしていたとすれば、収益性の高い取引戦略となっただろう。
2025年に入るにあたり平均コスト基準は約9万5500ドル(約1480万円)となっており、これは年初時点で購入者にやや利益をもたらしている。本記事執筆時点で、ビットコインは9万6000ドルを超えて取引されている。
さらに、歴史的に見て、実現価格はビットコインの弱気市場において素晴らしいサポートレベルとなっており、それを下回る価格で取引されることはほとんどない。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Glassnode
|原文:Bitcoin Buyers Saw 40% Gain on Average Last Year, Realized Price Shows