ビットコインが9万6000ドルに下落する中、ドージコインは10%下落──5億6000万ドルのロングポジションが清算
  • ビットコインが10万2000ドル以上から9万6000ドル付近まで下落したため、ドージコインが過去24時間で主要暗号資産の大幅な損失を主導した。
  • 暗号資産先物取引で高値を予想したポジションに5億6000万ドルの清算が発生したことがデータで示されており、これは年初としては比較的高い水準だ。
  • シンガポールを拠点とするQCPキャピタルは、暗号資産市場にとって1月は不安定な時期になるとの見方を変えていない。

ビットコイン(BTC)が9万6000ドル付近まで下落したため、ドージコイン(DOGE)を筆頭に主要な暗号資産(仮想通貨)が値を下げた。これは、米国債の利回りが急騰した新たな経済データによる投げ売りが原因だ。

DOGEは10%急落し、ソラナ(SOL)、カルダノ(ADA)、バイナンスコイン(BNB)、イーサリアム(ETH)は少なくとも7%下落した。ビットコインは5.5%下落し、時価総額上位のトークンを追跡する流動性指数であるCoinDesk 20指数(CD20)は7.1%下落した。

価格上昇を期待する暗号資産先物取引では5億6000万ドル(約896億円、1ドル=160円換算)の清算が行われ、年初としては比較的高い水準となったことがデータから明らかになっている。

暗号資産の損失は米国株式の損失と歩調を合わせた。アメリカのサービスプロバイダーに関連する最新の供給管理協会(ISM)の非製造業総合指数は予想よりも強く、投入価格指数は2023年初頭以来の高値を付けた。

同時に、アメリカの求人件数は予測を上回る増加となった。これらの展開により、さまざまな満期の財務省証券が下落し、10年物国債の利回りは5月以来の高値を付けた。

清算とは、証拠金要件を満たすことができないために、取引所がトレーダーのレバレッジポジションを強制的に清算することを指す。多くのトレーダーが同時に強制的な売却を余儀なくされると、価格の下落がさらなる清算につながり、それがさらに価格の下落を招くというサイクルが生じる。

そのため、市場ウォッチャーは1月7日の下落は一時的なものだと考えている。

「市場は昨日、打撃を受け、ビットコインとイーサリアムが大幅に下落した。その主な理由は、予想を上回るアメリカの雇用統計により、今年さらなる利下げへの期待が薄れたことだ」と、zkLinkのCEO兼共同創設者であるヴィンス・ヤン(Vince Yang)氏はテレグラムのメッセージで述べた。「これは以前にも見られたような、より広範なセンチメントの変化であり、暗号資産にとっては何も珍しいことではない」。

「我々は依然として楽観的だ。 歴史が示すように、こうした下落はしばしばより大きな上昇のきっかけとなる。特に、現在の市場サイクルの状況や、アメリカでより暗号資産に友好的な政権が誕生することなどを考えると、今後はエキサイティングな時代が到来すると考える理由が十分にある」とヤン氏は付け加えた。

しかし、シンガポールを拠点とするQCPキャピタル(QCP Capital)は、暗号資産市場は1月に不安定な時期を迎えるという見解を維持している。

「構造的なリスクが迫っているため、1月は順風満帆とはいかないだろう」と、QCPは8日にテレグラムのブロードキャストで述べた。「アメリカの債務上限は、今月中に再設定される見通しであり、財務省は政府支出の資金調達のために『特別な措置』を採用する必要がある。この問題に関する議論が激化するにつれ、市場の変動が引き起こされる可能性がある」とQCPは述べた。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Dogecoin Slumps 10% Amid Bitcoin’s Slide to $96K, $560M Long Positions Liquidated