企業のビットコイン採用の次の波が到来しつつある
  • KULRテクノロジーズは現在430BTCを購入しており、株価は847%上昇した。
  • 複数の上場企業がビットコイン財務戦略を発表したが、まだ取得には至っていない。

デジタル資産への関心が高まり続ける中、企業によるビットコイン(BTC)採用の新段階が形成されつつある。上場企業はマイクロストラテジー(MicroStrategy)にならってビットコインをバランスシート(貸借対照表)に加えている。

全ては2020年にマイクロストラテジーがビットコインを財務資産として採用したことから始まった。それ以来、同社の株価は2500%近く上昇した。同社は長年にわたり、現金やアット・ザ・マーケット(ATM)による株式募集、転換社債を通じてビットコイン保有量を増やしてきた。最近では優先株式の募集も利用すると表明している。

2024年には、メタプラネットやセムラー・サイエンティフィック(Semler Scientific)、MARAホールディングス(MARA Holdings)などの複数の企業が追随してビットコインを財務戦略に採用しており、他の多くの上場マイニング企業も大きな成功を収めた。

現在、さらに多くの企業がこの動きに加わっている。

第二の波で現れた最初の企業は、ニューヨーク証券取引所に上場しているKULRテクノロジー・グループ(KULR Technology Group)で、6日に2100万ドル(約32億5500万円、1ドル155円換算)のビットコイン購入を発表した。これにより同社のビットコイン保有総数は430BTCとなり、平均取得価格は1枚あたり9万8393ドル(約1525万円)となった。

KULRは、ATM株式プログラムと余剰現金を組み合わせて購入資金を調達した。この戦略の先駆けとなったほかの企業と同様に、同社もビットコインの利回り戦略を採用し、2024年12月から2025年1月にかけて93.7%の収益率を達成した。KULRの株価は11月19日以降で847%上昇している。

ビットコイン採用発表企業が相次ぐ

7日現在、ビットコイン財務戦略を発表したものの、まだ取得に至っていない上場企業も現れ始めているようだ。

まず、ナスダックに上場しているAcurx Pharmaceuticalsは、11月20日に取締役会が最大100万ドル(約1億5500万円)のビットコイン購入を承認した。株価は11月19日以降35%下落しているが、年初来では30%上昇している。

同じくナスダック上場のHoth Therapeuticsもそうだ。11月20日に取締役会が100万ドルのビットコイン購入を承認したが、まだ取得には至っていない。しかし、株価は11月19日以降2%上昇している。

100万ドルのビットコイン財務戦略を承認した3番目の企業は、ナスダック上場のLQR Houseだ。同社は11月19日に、暗号資産(仮想通貨)による支払いの受け入れも行い、こうした支払いのうち最大1000万ドル(約15億5000万円)をビットコインで保有する方針を採用したと発表した。株価は11月19日以降56%上昇している。

ニューヨーク証券取引所上場のSOS Limitedは、11月27日に5000万ドル(約77億5000万円)のビットコイン購入を承認した。この発表が行われた当時、ビットコインは9万3000ドルだった。株価は11月19日以降30%下落している。

最後に、同じくナスダック上場のEnlivex Therapeuticsは11月20日、財務戦略として100万ドルのビットコイン購入が承認されたと発表した。株価は11月19日以降18%上昇している。

第二の波では、KULRが他の企業と比較して大幅な株価上昇を見せており、これは戦略発表と同時にビットコインを購入したことによるものと考えられる。

|翻訳・編集:林理南
|画像:dimitrisvetsikas1969/Pixabay
|原文:The Next Wave of Corporate Bitcoin Adoption Seems to Be on Its Way