- マクロ的な逆風により、12月中旬以降、暗号資産が売られているとスタンダードチャータードは報告書で述べている。
- 同行は、アメリカ大統領選以降にビットコインに投資した投資家は現在、損益がほぼゼロの状態だと指摘した。
- ビットコインが9万ドルを割り込むと、さらに10%の調整につながる可能性があるとスタンダードチャータードは予想している。
ビットコイン(BTC)やその他の暗号資産(仮想通貨)は、市場におけるマクロ要因による幅広い売り圧力で下落しており、強制的な売りによってさらなる弱含みにつながるリスクがあると投資銀行のスタンダード・チャータードは1月13日のレポートで述べた。
市場の下落は、12月中旬のジェローム・パウエル(Jerome Powell)連邦準備制度理事会(FRB)議長のタカ派的な記者会見が引き金となった。
同行は、11月のアメリカ大統領選挙の後にビットコインへのエクスポージャーを取った投資家は現在、「損益分岐点に達しただけ」であり、強制的な売りやパニック売りによって下落がさらに加速するリスクがあると指摘した。これには、ETF(上場投資信託)の購入者やBTCを多く購入したマイクロストラテジー(MicroStrategy)も含まれる。
「時価評価による痛みを伴うリスクが高まっている」と、スタンダード・チャータードの暗号資産調査部門の責任者であるジェフ・ケンドリック(Geoff Kendrick)氏は記している。
もし世界最大の暗号資産が重要な9万ドルの水準を下回れば、さらに10%下がって8万ドル台前半まで下落する可能性があると報告書は述べている。また、他の暗号資産も下落する可能性が高い。
同行は、反落が収まった後にビットコインを買い増すようにアドバイスしている。
スタンダードチャータードは、トランプ新政権下で機関投資家の資金流入が再開されることを背景に、ビットコインが年内に20万ドルに達するとの見方を維持している。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:Bitcoin Caught Up in a Macro-Driven Sell-Off, May Fall Further: Standard Chartered