- 米連邦検察当局は、暗号資産(仮想通貨)取引所ビットフィネックス(Bitfinex)から盗まれたビットコイン(BTC)の大半を同取引所に送り返したいと考えている。
- 有罪判決を受けたハッカー、イリヤ・リヒテンシュタイン(Ilya Lichtenstein)とその妻でマネーロンダリングを手伝ったヘザー・モーガン(Heather Morgan)に対する刑事裁判は先日、それぞれ5年と18カ月の実刑判決で結審した。
米検察当局は、暗号資産取引所ビットフィネックスの2016年のハッキングで盗まれた11万9754ビットコインの約80%の返還を許可するよう連邦判事に要請した。
1月14日に裁判所に提出された書類で、検察当局は、ハッカーであるイリヤ・リヒテンシュタインが使用したウォレットから政府が回収した9万4643ビットコインは、裁判所が許可を出せば、現物返還としてビットフィネックスに戻すことができると述べた。
ハッキング後にいくつかのハードフォークを経て生成されたビットコインキャッシュ、ビットコインサトシビジョン、ビットコインゴールドもビットフィネックスに送られることになる。
リヒテンシュタインは昨年11月、2023年のマネーロンダリング共謀罪を認めた後、懲役5年を言い渡された。彼の妻であるヘザー・モーガン(ラップネーム「Razzlekhan」の方がよく知られている)は、リヒテンシュタインがハッキング収益の一部をマネーロンダリングするのを助けたとして、18カ月の刑を受けた。両者とも司法取引の一環として、盗んだ暗号資産の没収に同意した。
残りの2万5000ビットコインの返還はより複雑になるだろう。
検察側は提出書類の中で、リヒテンシュタインとモーガンは「広範なピールチェーン取引(複数の中間アドレスを経由したように見える取引)、非準拠の暗号資産取引所、ダークネット市場、ミキサーやタンブラーを通じたマネーロンダリング、被告人のビジネス口座や個人口座での混同など、複雑で技術的に洗練されたさまざまな手段」を使ってこれらのコインをマネーロンダリングしようとしたため、ハッキングで失われた「特定の財産」とはみなされず、したがって付随的な没収手続きによって返還されなければならないと述べている。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:ビットフィネックスのハッキング犯、イリヤ・リヒテンシュタインとその妻ヘザー・モーガン(Alexandria Sherrif’s Office)
|原文:U.S. Prosecutors Ask Court to Green-Light Return of 95,000 Stolen Bitcoin to Bitfinex