CoinDesk JAPANが年末年始特別企画として開催した「Web3川柳コンテスト2025」の受賞作品が決定しました! 1月17日にXスペースで行われた発表イベントでは、最優秀賞をはじめ、4つの協賛社賞や優秀賞が発表されました。
1,380件を超える応募作品は、多彩な視点や独創的な表現が詰まっており、審査員たちに多くの驚きと新たな発見をもたらしました。特別審査員7名と編集部による厳正な審査の末、選び抜かれた珠玉の作品たちをご紹介します。
■アーカイブ配信中:Xスペース
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スペースでは2025年のWeb3展望や各社の抱負も語られています。ぜひご覧ください!
■協賛社
大和証券グループ本社
株式会社bitFlyer Holdings
株式会社pafin
Fintertech株式会社
4つの協賛社賞は以下のとおりです。
bitFlyer賞
Web3 パーカーおじさん 似合ってる
ペンネーム:しんのすけ
選評:加納 裕三氏 | 株式会社bitFlyer Holdings 代表取締役CEO
「おじさんはパーカー着るな」みたいな話がネットで話題になり、それに対抗して「ビットフライヤーのパーカーをプレゼントします」というキャンペーンを行ったら、1週間足らずで5,000件を超える応募をいただきました。パーカーが好きなおじさんはたくさんいるんだなと思いました。私もパーカーは楽だし着やすいし大好きです。今も社員に誕生日プレゼントでもらったパーカーを着ています。当初は、もう少し真面目な作品を選ぼうとしていたんですが、社員と議論して、ビットフライヤーならではというところでこちらを選びました。
pafin賞
今年こそ 仮想通貨の 分離課税
ペンネーム:十猪
選評:斎藤 岳氏 | 株式会社pafin 代表取締役 Co-CEO
当社は税金関連のサービスを扱っており、実は昨年は税金とはまったく関係のない川柳を選んだのですが、今年は関連したものを選びたいと思っていました。まさに税制改正は、個人的には、2025年が佳境だと思っています。税金だけでなく、暗号資産(仮想通貨)を取り巻くいろいろな環境がいよいよ大詰めを迎えます。税金を読まれた応募作はいくつかありましたが、これはストレート、豪速球。でもこの局面は160キロの “超ど真ん中” が求められると考えました。
Fintertech賞
あらステキ ステーキングで 資産増え
ペンネーム:コタラフ
選評:徳 旭氏 | Fintertech株式会社 Chief Crypto Liquidity Officer
※相原一也氏(Fintertech株式会社 代表取締役社長)の代理で選評及び登壇いただきました。
川柳の完成度が高いと感じました。ダジャレのユーモアを交えつつ、川柳としての技術点も高く、この応募作は暗号資産保有者の広がりと、暗号資産の活用方法の広がりを非常にわかりやすく描写しています。これまで、暗号資産は実際の生活と切り離されたイメージがありましたが、この川柳では生活に寄り添った世界観で描かれています。加えて、軽快な調べですし、最終的に余韻を残したような着地をしていますので、前向きな年始に読むにふさわしい、今年は何かに挑戦してみようと、前向きな印象を与えるような作品になっています。
解説が長くなりますが、上五の「あらステキ」はダジャレかと思いきや、台詞で入っています。そうすることで人物像をわかりやすく描写しています。中七下五で「ステーキングで」としていますが、これは「スピーキングや」と詠嘆したくなるところを「ステーキングで資産増え」と1つの塊にしています。フレーズとして立っていて、かつ塊にしていることで、説明っぽくなるのですが、中七下五で韻を踏んで “調べ” を取り戻して、川柳としてしっかり成立しています。人物像と描写のバランスも良い。さらに言うと、「あらステキ」という人物像と「ステーキング」の距離感も非常に良いです。
大和証券グループ賞
STは 明日(あす)の市場の エネルギー
ペンネーム:天海楓
選評:斉藤 貴裕 氏 | 株式会社大和証券グループ本社 経営企画部 デジタルアセット推進室長
大和証券はセキュリティ・トークン(ST)を扱っていますので、STを詠んだ一句を選びました。STは暗号資産とは少し性質が違うものですが、暗号資産と同様に規模が拡大しています。2024年までの累計発行額は1500億円程度、2025年には3400億円程度に達するとの予測もありますが、当社が現在把握している案件からしても、それくらいの水準には達するだろうとみています。STが資本市場を拡大するエネルギーとなっていることは、まさにその通りです。
続いて、優秀作品賞と最優秀作品賞は以下のとおりです。
優秀作品賞
税率を 重しに古漬け 含み益
ペンネーム:ハル
審査員代表コメント:Joe Takayama 氏
税率の話は、去年からもずっとトピックに上がっています。2025年はアメリカでいろいろな進展が期待されていることもあって、日本では税率は非常に重要な検討課題であり続け、多方面から、いろいろなコメントが継続的に出ています。税率の改正がなかなか進まないために、日本の暗号資産業界は前に進まないというような意見もありますが、逆に言えば、だからこそ、今、非常に大きな含み益を抱えている方もおられるという、若干皮肉も入ったような内容が良かったと思います。
最優秀作品賞
トランプの 占い(売らない)信じ 10万ドル
ペンネーム:izugon
審査員代表コメント:藤本真衣氏 | INTMAX共同創業者・Japan Blockchain Week共同創業者
「トランプ」は2025年も引き続き、印象に残る言葉になると思います。この川柳もストレートで、さらに真ん中の部分で「占い」と「売らない」を掛け合わせ工夫が非常に面白かったです。昨年も審査に参加しましたが、去年はいい意味でも悪い意味でも「自虐ネタ」が多かったのですが、今年は希望にあふれるような応募作が多く、ストレートにWeb3への期待を込めた川柳が多かったと思っています。その中でも、この作品は非常にバランスが取れていて、2024年を象徴する川柳だと感じました。
総評:明るいトーンがポジティブな変化を反映
藤本真衣氏
最優秀作品賞の選評で触れたとおり、ポジティブな作品が多かったと思います。去年と全然イメージが違ったところが、一番印象的でした。希望が詰まっている、皆さんの期待と希望が詰まっていると感じました。
加納裕三氏
全体的に明るいトーンになっていて、本当に「春が訪れた」と思います。昨年はFTXの破綻など、いくつか大きな事件がありました。2024年は本当に良い1年になり、この流れが続くといいなと思っています。特に、暗号資産における分離課税の導入は重要な課題だと思っていて、何としても成し遂げなければなりません。足元ではいろんな課題があり、例えば法改正を進めるにしても暗号資産はこれまでの金融商品とはまったく違うので、従来の法律が当てはまらない。そうした中でどうするかという検討をずっと続けていますが、税制改正はぜひ成し遂げたいと考えています。また、今年は去年から続くモメンタムがあるので、トランプ政権からポジティブな政策が出てきたらすごい年になると期待しています。そして、年末の川柳もさらにポジティブになると思います。
神本 侑季 | N.Avenue/CoinDesk Japan 代表取締役CEO
年末のこの川柳企画は、1年を通した市場の状況と新しい年への期待など、皆さんが感じたことが反映されるものになっています。その意味で、非常に意味のあるイベントとして今後も続けていきたいと思います。
■アーカイブ配信中:Xスペース
URL:https://twitter.com/i/spaces/1eaKbarPYLYxX
受賞作品は、Web3への多様な視点やユニークなアイデアが光るものばかりでした。今年のコンテストを通じて、Web3がますます多くの人々に親しまれ、新たな創造や議論のきっかけとなることを願っています。たくさんのご応募、ありがとうございました!
|文:CoinDesk JAPAN編集部