- 共和党のドナルド・トランプ氏に関連する「公式」ミームコインが、18日アジア時間早朝に同氏公認のX、トゥルース・ソーシャルのアカウントから発行された。
- このミームコインがトランプ氏の支持を受けているかどうかについて混乱が広がる中、価格は6時間足らずで数セントから14ドルまで上昇した。
- この明らかな動きは、トランプ氏が20日に就任する数日前に起きたものだ。
「このコインは本当なのか?」という疑問は、18日アジア時間早朝に、共和党のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏に関連する「公式」ミームコインが同氏公認のX(旧Twitter)とトゥルース・ソーシャル(Truth Social)のアカウントから発行されたとき、アメリカからアジアまでの暗号資産(仮想通貨)トレーダーを悩ませた問題だ。
このミームコインが実際にトランプ氏の支持を受けているのか、それともトランプ氏のアカウントがハッキングされ、攻撃者が無知な買い手から金を巻き上げるために偽のトークンを発行した可能性があるのかをめぐり混乱が広がる中、価格は6時間足らずで数セントから14ドル(約2200円、1ドル155円換算)まで上昇した。
CoinDeskは18日欧州時間序盤の時点で、このミームコインが正当なものかどうかを独自に確認することができなかった。
一部のトレーダーから懐疑的に見られているこのミームコインは、発行後数時間で30億ドル(約4650億円)の取引高を記録し、本記事執筆時点の価格で20億ドルの時価総額を誇っている。オンチェーンデータによると、初期の買い手には7000万ドル(約108億5000万円)以上の含み益を、より規模の小さいトレーダーには100万ドル(約1億5500万円)の含み益をもたらしている。
この明らかな動きは、トランプ氏が20日に就任する数日前に起きたものだ。今後現職大統領としてミームコインに好意を示すとすれば、史上初となる。トランプ氏と関わりのある暗号資産関連ビジネスや商品はすでに数多く存在しており、このミームコインはこうした事例の最新のものだ。トランプ氏は以前に複数のNFTを発行しており、比較的新しい事例としては分散型金融(DeFi)プラットフォームであるワールド・リバティー・フィナンシャル(World Liberty Financial)を立ち上げた。
@realDonaldTrumpのアカウントからのX投稿には、「私の新しい公式トランプミームはここだ!我々が支持するすべてのことを祝福するときだ。私の極めて特別なトランプ・コミュニティに参加しよう。今すぐTRUMPトークンを手に入れよう。http://gettrumpmemes.comにアクセスしよう。楽しもう!」と書かれている。
このX投稿は18日の協定世界時(UTC)午前2時44分に投稿され、午前8時15分以降も掲載されたままだった。当初は偽物と思われていた。
このミームコインはまずトランプ氏のトゥルース・ソーシャルのアカウントに投稿され、1時間強で完全希薄化後時価総額が2億ドルから13億ドル(約2015億円)以上に増加した。Xに投稿後、暗号資産トレーダーからの注目と関心を集めた。
ミームコインのウェブサイトの免責事項には、トランプ氏のミームコインは「$TRUMPのシンボルが体現する理想や信念に対する支持や関与の表現」として機能することを意図しており、「投資機会や投資契約、いかなる種類の証券となることも意図していない。またはそれらの対象となることを意図していない」と記載されていた。
この論法は、2024年後半以降にどのようにしてミームコイン市場が形成されたかと一致している。単なる画像に関連するミームコイン(ドージコインなど)から、そのブランドが示す共通のビジョンやアイデアを保有者が信じるカルトトークン(米株式市場を上回るSPX6900や、「トークン化された勝利」を表すMOGなど)へと移行している。
一方、以前に発行されたトランプ氏をモチーフにしたミームコインの一部は18日早朝に打撃を受け、そのバリュー・プロポジションが低下したため最大50%下落した。
|翻訳・編集:林理南
|画像:TheDigitalArtist/Pixabay
|原文:Donald Trump ‘Official’ Memecoin Makes Millionaires, Raffles $3B Volumes in Hours