ステーブルコイン取引、中国・欧州がビットコイン準備金で米に続く:ウィンターミュートの予測
  • ウィンターミュートの2025年予測では、中国とアラブ首長国連邦、欧州がアメリカに続いてビットコイン戦略的準備金を創設する可能性がある。
  • ウィンターミュートのOTC取引高は313%増加した。
  • 機関投資家は利回りやリスク管理の面でより高度な商品を探し続けている。

暗号資産(仮想通貨)取引会社ウィンターミュート(Wintermute)によると、今年は上場投資信託(ETF)と企業保有を通じて、暗号資産が伝統的金融(TradFi)に統合される度合いがさらに深まるという。

さらに、マーケットメーカーかつリクイティティ・プロバイダーである同社は年次のレビュー・見通しレポートの中で、買収や合併などの大規模な企業イベントがステーブルコインで決済されるようになると指摘した。

同社のその他の予測は以下の通りだ。

  • アメリカが戦略的ビットコイン(BTC)準備金の創設に向けた協議を開始し、中国やアラブ首長国連邦(UAE)、欧州がこれに続くだろう。
  • 上場企業が、マイクロストラテジー(MicroStrategy)のビットコイン取得方針にならい、イーサリアム(ETH)購入のために債券や株式を売却するだろう。
  • システム上重要な銀行が顧客に暗号資産の現物取引を提供するだろう。

こうした予測は、昨年の大幅な需要増加を受けたものだ。昨年1月のビットコインETF承認やその後のイーサリアムETF誕生を受けて、店頭(OTC)取引の機関投資家取引高は3倍以上に増加した。このレポートは、この関心の高まりの理由として規制の明確化と資本効率の高い取引に対する需要を挙げている。平均OTC取引サイズは17%増加し、総取引高は313%増加したという。

デリバティブ取引高は300%以上増加している。これは機関投資家が利回りとリスク管理の面でより高度な商品を探していることが原因だ。現物取引では、単日のOTC取引高が過去最高の22億4000万ドル(約3472億円、1ドル155円換算)を記録し、2023年の週間記録である20億ドルを上回ったとウィンターミュートは指摘した。

資産選好の変化

ミームコインは2024年の成功例の1つであり、その市場シェアは2倍以上の16%に拡大した。これは主にソラナ(Solana)エコシステムのドッグウィフハット(WIF)やボンク(BONK)、ポンケ(PONKE)などのトークンによって牽引されたが、イーサリアムエコシステムが依然として支配的だ。

[エコシステム別ミームコインのOTC現物取引高、%分割(ウィンターミュート)]

エフゲニー・ガエボイ(Evgeny Gaevoy)CEOはレポートで、「CFDやオプションなどの高度な商品に対する需要に牽引され、記録的な成長を遂げた。これは、伝統的金融にますます似た成熟した市場を反映している」と指摘。「ETFや企業保有、トークン化、仕組商品の台頭を通じて暗号資産がグローバルな金融インフラにさらに深く統合されるにつれ、さらに勢いが増すことを予想している」と述べた。

|翻訳・編集:林理南
|画像:Peter H/Pixabay
|原文:Stablecoin Deals and China, Europe to Follow U.S. With Bitcoin Reserve: Wintermute Predictions