TRUMP強気派は要警戒──主要な指標は売り圧力の高まりを示唆
  • TRUMPの永久先物の未決済建玉は24時間で6%上昇した。
  • しかし、累積出来高の変化率は弱気のシグナルを示している。
  • 資金調達率は過熱した市場を示している。

ドナルド・トランプ(Donald Trump)次期大統領の公式トークン「TRUMP」は、暗号資産(仮想通貨)市場で大きな話題を呼び、わずか2日間で時価総額110億ドル(約1兆7050億円、1ドル=155円換算)の21番目に大きな暗号資産に急成長した

TRUMPとテザー(USDT)のペアは、大手取引所であるバイナンス(Binance)で、過去24時間で最も取引されたペアとして浮上し、取引高全体の13.3%を占めたとCoingeckoは伝えている

この活況は胸躍るものだが、強気派やドナルド・トランプ氏の就任式を前に市場に参加しようとしている人々は、主要なデリバティブ市場の指標がトークンの上昇する先物取引の建玉残高から弱気な乖離を見せているため、注意が必要かもしれない。

Velo Dataのデータによると、TRUMPの永久先物の建玉残高は過去24時間で6%増加した。アジア取引時間以降、価格は70ドルから58ドルまで値を戻したが、それでも3%上昇している。

しかし、売買高の差を反映する永久先物の累積出来高デルタ(CVD)は1%以上下落しており、相対的に売りが増加していることを示している。つまり、トレーダーたちは、ショートポジションを取っているか、弱気の賭けに出ているか、ロングポジションをクローズしているかのいずれかだ。

また、TRUMPの市場は過熱しており、ロングポジションを保有している人々は、ポジションを維持するためにショートポジションに対して年率170%以上の手数料を支払っている。もし市場が上昇を止めた場合、ロングポジションを保有することは負担となり、強気の賭けの解消を促す可能性がある。その結果、さらに価格が下落する可能性がある。

[主要なトークンの累積出来高デルタ(CVD)。:Velo Data]

このチャートは、過去24時間で、ほとんどの主要な暗号資産が永久先物で売りが超過したことを示している。おそらく市場参加者は、トランプ大統領就任後の典型的な「ニュースで売る」という行動により、市場全体の価格下落を恐れているのだろう。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:TRUMP Bulls on Alert as Indicator Hints at Rising Selling Pressure