- イーサリアムは、ビットコインに対して2021年3月以来の最低水準まで下落した。
- ビットコインはトランプ次期大統領の就任式前に過去最高値を更新した。
- イーサリアムは、ソラナブロックチェーンによるミームコインの導入の人気により、打撃を受けた。
イーサリアム(ETH)は1月19日、より大きなライバルに対して損失を拡大したため、ビットコイン(BTC)に対して2021年3月以来の最安値を記録した。
19日に1イーサは0.03BTCまで下落し、1年前と比較するとほぼ50%の下落となった。これは、ドナルド・トランプ(Donald Trump)次期大統領の就任式を控えてビットコインが急騰したためだ。2つのトークンの為替レートは、通常はETH/BTCレシオと呼ばれるが、これは2022年には0.08を上回るピークに達していた。
それ以来、ETHの価値提案は低下の一途をたどっている。BTCは20日に10万9000ドルを超える過去最高値を記録し、過去1年で投資家に160%のリターンをもたらした。一方のETHは40%の上昇にとどまり、2021年のピークから30%ほど下落している。イーサリアムは、スマートコントラクトや分散型金融(DeFi)アプリケーションを最初に提供したイーサリアム(Ethereum)ブロックチェーンにメリットがあるとトレーダーが判断したときに上昇する傾向があり、ビットコインや他のブロックチェーンが好まれると弱含みとなる。
「イーサリアムは、特にソラナ(Solana)がミームコインフィーバーや、トランプ大統領がイーサリアムではなくソラナで公式ミームコインを立ち上げるといったイベントを通じて注目を集めているため、このサイクルでは著しくパフォーマンスが劣っている」と、プレスト・リサーチ(Presto Research)の投資アナリスト、ミン・ジョン(Min Jung)氏はテレグラムのメッセージでCoinDeskに語った。
「とはいえ、ワールド・リバティー・ファイナンシャル(World Liberty Financial)の最近のETHの蓄積は、イーサリアムが機関投資家の間で依然として強い魅力を維持していることを示している。ビットコイン以外ではETFを持つ唯一の暗号資産(仮想通貨)として、イーサリアムはビットコインの次の焦点となるのに適した位置にある」とジョン氏は付け加えた。ワールド・リバティー・ファイナンシャルは、トランプ氏と彼の息子たちが推進する暗号資産貸付プラットフォームだ。
ビットコインは最大の競合相手に対してのみ最高値を更新しているわけではない。伝統的な資産に対しても同様の動きを見せている。ビットコインは現在、40オンスのゴールド(金)に相当する。つまり、ビットコインの時価総額は現在、ゴールドの11.4%に達している。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:Ether Drops to 4-Year Low Against Bitcoin as Trump Seen Boosting Largest Cryptocurrency