トランプ氏のワールド・リバティ・ファイナンシャル、就任式前に7000万ドル超を暗号資産に投資──ラップドビットコイン、イーサリアムなど
  • 次期大統領ドナルド・トランプ氏に関連するDeFiプラットフォーム、ワールド・リバティ・ファイナンシャルが20日午前、数時間のうちに7000万ドル超相当の暗号資産を購入した。
  • ラップドビットコイン、イーサリアム、トロン、アーベ、エセナ、チェーンリンクを購入したことがオンチェーンデータで示された。
  • WLFIトークンは10月の良くも悪くもないスタートを経て、20日時点で85%が販売された。

ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏とその家族に関連する分散型金融(DeFi)プラットフォーム、ワールド・リバティ・ファイナンシャル(WLFI:World Liberty Financial)が、20日のトランプ氏の就任式数時間前に、数百万ドル相当の暗号資産(仮想通貨)を買いあさった。

アーカム・インテリジェンス(Arkham Intelligence)のブロックチェーンデータによると、ワールド・リバティ・ファイナンシャルのウォレットアドレスは、2350万ドル(約36億4250万円、1ドル155円換算)相当のラップドビットコイン(WBTC)、2900万ドル相当のイーサリアム(ETH)、440万ドル相当のアーベ(AAVE)、450万ドル相当のトロン(TRX)を購入した。また、このアドレスは分散型取引所(DEX)のCoWを通じて450万ドル相当のエセナ(ENA)と550万ドル相当のチェーンリンク(LINK)を十数回のトランザクション(取引)で購入した。

[ワールド・リバティ・ファイナンシャルの暗号資産購入(アーカム)]

こうしたトランザクションは、昨年10月の発行時点では低調だったワールド・リバティ・ファイナンシャルのガバナンストークンWLFIの売り上げが過去数日間で好転する中で行われた。20日午前時点で217億枚(10億800万ドル相当、日本円で約1562億円)が販売されており、総供給量250億枚の85%以上に達している。

ワールド・リバティ・ファイナンシャルはザカリー・フォークマン(Zachary Folkman)氏とチェイス・ヘロ(Chase Herro)氏が率いており、両氏は以前にDeFiプラットフォーム「ドウ・ファイナンス(Dough Finance)」で活動していた。このプラットフォームでは7月に200万ドル(約3億1000万円)の暗号資産が流出するエクスプロイト(脆弱性を狙った攻撃)が発生している。ドナルド・トランプ氏を含むトランプ一家のメンバーはこのプロジェクトをソーシャルメディアで公然と支持しており、元大統領であるドナルド・トランプ氏はこのプラットフォームで「最高暗号資産支持責任者(Chief Crypto Advocate)」という肩書きを持っている。息子のうちエリック・トランプ(Eric Trump)氏とドナルド・トランプ・ジュニア(Donald Trump Jr.)氏の2人は「Web3アンバサダー(Web3 Ambassador)」として関与し、もう1人の息子バロン・トランプ(Barron Trump)氏は「DeFiビジョナリー(DeFi Visionary)」として紹介されている。

|翻訳・編集:林理南
|画像:Danny Nelson/CoinDesk
|原文:Trump-Linked Crypto Platform Throws Over $70M on WBTC, ETH, Other Tokens Ahead of Inauguration