TRUMP、MELANIAが50%以上急落──就任式後にビットコインも低迷
  • ドナルド・トランプ大統領とメラニア夫人の公式ミームコインは、60%も下落している。
  • これらのトークンは、価格が変動しやすい取引の少ないトークンではなく、取引高はほとんどの主要トークンよりも多い。
  • トレーダーは、ソラナ(SOL)に注目し、短期的には暗号資産に前向きな政策がとられることに楽観的な見方を維持している。

トランプファミリーのトークンへの熱狂は短命に終わり、期待を寄せていた投資家たちは大きな損失を被ることとなった。

ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領とメラニア(Melania)夫人の公式ミームコインは1月20日の就任式後に大量の利益確定売りがあり、過去24時間で60%も下落した。この2つのトークンを追跡する先物も同様に、トレーダーにとっては悪い結果となった。価格上昇を期待していた人々の清算による損失は、7000万ドル(約108億5000万円)近くに上った

これらは価格が変動しやすい薄商いのトークンではない。データによると、TRUMPは24時間で190億ドル(約2兆9450億円)以上の取引高を記録し、MELANIAは45億ドル(6975億円)の取引が行われた。

トロン(TRX)やカルダノ(ADA)などの主要トークンは、同期間では40億ドル(約6200億円)未満の取引高にとどまっており、トランプファミリーをテーマにしたトークンへの高い関心を示している。

個人トレーダーにTRUMPを最初に提供した取引アプリ「Moonshot」では、価格に連動して全体の購入が停滞している。Seoulcalibur.ethが作成したDuneのダッシュボードによると、1月18日から1月19日にかけて、平均600万ドル(約9億3000万円)を超えていた取引高が、過去24時間では100万ドル(約1億5500マン円)強にまで落ち込んでいる。

[Seoulcalibur.eth/Dune]

暗号資産(仮想通貨)市場では、トランプ大統領が就任演説でこの資産クラスについて言及するだろうと期待されていた。例えば、公約の戦略的ビットコイン準備の計画などである。しかし、関連する言葉がなかったため、ビットコイン(BTC)は20日のアジア時間朝に、10万9000ドルを超える高値から10万1000ドル強まで下落した。

しかし、トレーダーたちは、ソラナ(SOL)に注目し、短期的には暗号資産に好意的な政策がとられるだろうと楽観視している。

「ソラナ(Solana)でTRUMPをローンチすることは、このチェーンの大きな裏付けとなり、ソラナのETF(上場投資信託)が予想よりもずっと早く承認される可能性があることを示している」と、シンガポールを拠点とするQCPキャピタル(QCP Capital)は21日に述べた。「同様のローンチによるメディア露出の増加に伴い、リテールの資金が押し寄せるだろう」。

同社は、「トランプ大統領の暗号資産に対する前向きな姿勢が固まったことで、トランプ大統領の記念とも言うべきコインの発行は、小口投資家だけでなく、機関投資家にもアピールするだろう。機関投資家は、経済の将来に大きな影響を与える可能性がある具体的な暗号資産推進政策を待ち望んでいる」と付け加えた。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:TRUMP, MELANIA Tokens Plunge 50% as Trump Inauguration Fails to Bouy Bitcoin