SEC、新たな暗号資産タスクフォースを設立──ヘスター・パース氏がトップ

ゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)氏が米証券取引委員会(SEC)委員長を正式に退任したのはわずか1日前の20日だが、暗号資産に対するSECのアプローチにはすでに大幅な見直しが行われている。

マーク・ウエダ(Mark Uyeda)委員長代行は20日、SECは「暗号資産(仮想通貨)のための包括的で明確な規制枠組みの策定」に専念する暗号資産タスクフォースを設立したと発表した。このタスクフォースは、長年暗号資産業を擁護してきたヘスター・パース(Hester Peirce)委員が率い、業界と密接に協力して規制を策定する予定だ。また、議会とも提携し、議会が暗号資産規制を策定する際に「技術的支援」を提供する。

SECの今回の発表のトーンと内容はどちらも、新トランプ政権下でのSECの暗号資産規制へのアプローチが根本的に変化したことを示している。

声明では、「これまでSECは主に執行措置に依存して暗号資産を遡及的かつ後手に回って規制してきた。その過程で、新規で未検証の法的解釈を採用することが多かった」とされ、「誰が登録すべきかについての明確さと、登録を希望する者のための実用的な解決策がわかりにくかった。その結果、何が合法かについて混乱が生じ、イノベーションに敵対的で詐欺を助長する環境が作り出された。SECはもっと良く対応できる」と述べられている。

SECの新しい暗号資産タスクフォースは、商品先物取引委員会(CFTC)とも連携する見通しだ。SECのゲンスラー前委員長とCTFCのロスティン・ベーナム(Rostin Behnam)前委員長が指導部だった時期には、CTFCはどちらが暗号資産業界の主要規制機関となるかをめぐりSECと競合関係にあった。

パース委員は声明で、「この取り組みには時間と忍耐、そして多くの努力が必要となるだろう。タスクフォースが幅広い投資家や業界参加者、学者、その他の利害関係者からの意見を得て初めてこの取り組みは成功するだろう。投資家を保護し、資本形成を促進し、市場の一体性を育み、イノベーションを支援する規制環境を育てるために、一般の人々と手を取り合って働くことを楽しみにしている」と述べた。

SECは以前、2019年にスタッフガイダンスを発表したが、過去5年間ほとんど言及されておらず、議論もされていない。

|翻訳・編集:林理南
|画像:SEC
|原文:SEC Forms New Crypto Task Force Spearheaded by Hester Peirce