- EU規制当局ESMAは、EU加盟国の当局に対し、取引所が非準拠ステーブルコインの取引を停止することを確実にするよう要請した。
- この措置は、テザー社のテザーなどEU法に準拠していないステーブルコインに対し、EU内の顧客に提供された場合に影響を与える。
欧州証券市場監督局(ESMA)は、欧州連合(EU)加盟国の当局に対し、今後2カ月以内に取引所が非準拠ステーブルコインの取引を停止することを確実にするよう要請した。
ESMAは17日の声明でEU加盟27か国に対し、暗号資産(仮想通貨)サービスプロバイダー(CASP)が「2025年第1四半期末までに」ESMAのステーブルコイン規則を遵守することを確実にするよう要請した。
ESMAは、「実務上、これは暗号資産取引プラットフォームを運営するCASPが、資産参照トークン(ART)および電子マネートークン(EMT)に該当する全ての暗号資産のうち、発行者がEUで認可されていないもの(『非MiCA(暗号資産市場法)準拠ARTおよびEMT』)の取引を停止することが期待されるという意味だ」と説明した。
この措置は、テザー(Tether)社のテザー(USDT)などのEU法に準拠していないステーブルコインがEU内の顧客に提供された場合に、そうしたステーブルコインに影響を与える可能性がある。大手発行企業はすでにMiCAに準拠しようとするための措置を講じている。テザーは11月、ユーロステーブルコインEURTの廃止を発表した。同社はEUで事業を行うための電子マネーライセンスを取得できていない。サークル(Circle)社は7月に電子マネーライセンスを取得している。
ESMAの声明によると、EUに登録しているジェミナイ(Gemini)やコインベース(Coinbase)などの取引所は、認可されていないステーブルコインの上場を廃止しなければならなくなる。コインベースは以前、昨年12月までにそうしたトークンの上場を廃止すると発表していた。
コインベースの広報担当者は21日にCoinDeskに対し、「当社のコンプライアンスへのコミットメントを踏まえ、2024年12月13日からコインベース・ヨーロッパ・リミテッド(Coinbase Europe Limited)、コインベース・ドイツGmbH(Coinbase Germany GmbH)、コインベース・カストディ・インターナショナル・リミテッド(Coinbase Custody International Limited)の個人顧客、取引所顧客、プライムボールト顧客に対し、MiCA要件を満たさないステーブルコインに関連するサービスの提供を制限した」とコメントした。
さらに、「MiCAへの準拠を達成したステーブルコインについては、後日サービスを再開することを検討する」と述べた。
CoinDeskはジェミナイにもコメントを求めた。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Yuedongzi CHAI/ Unsplash
|原文:EU Regulator Urges Nations to Ensure Compliance with Stablecoin Rules Soon