トランプ氏の公式トークンが25%急騰──政権へのベータベットか
  • ミームコインのTRUMPは、新たに就任したドナルド・トランプ大統領のために数十億ドルの資金をもたらした。
  • 一部の観測筋は、これが彼の任期のベータベットとして機能する可能性があると述べている。

ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は、就任後初めての演説で、ミームコインのTRUMPで数十億ドルの資金が集まったと述べた。彼はその額を企業の大物たちの資産と比較して「ピーナッツ(取るに足らないもの)」と表現した。

「ローンチしたときのこと以外はあまりよく知らない。成功したと聞いたが」と記者会見で記者から質問されたトランプ氏は述べた。「今日はどうだ?数十億ドルか?」

「彼らにとっては小銭だ」と付け加え、ソフトバンクの孫正義氏、OpenAIのサム・アルトマン(Sam Altman)氏、オラクルのラリー・エリソン(Larry Ellison)氏など、その場にいた他の実業家の資産について言及した。

TRUMPの価格は、ビットコイン(BTC)や他の主要暗号資産(仮想通貨)の値動きを上回り、この24時間で25%も急騰し、週初めの損失を一気に取り戻した。1月22日の朝の時点で、時価総額は80億ドル(約1兆2400億円、1ドル=155円換算)に達し、公開以来、ほぼ900%上昇している。

また、トランプ氏は演説で、テキサス州にデータセンターを建設し、AI(人工知能)インフラに投資する「スターゲート(Stargate)」と呼ばれる5000億ドル(約77兆5000億円)の合弁事業を発表した。

一方、TRUMPを共和党の人気と任期中の政策への賭けであり、それがWeb3とミームコイン市場を形作るという波及効果を持つと見る向きもある。

「長期的には、TRUMPは、トランプ大統領に対する国民感情のバロメーターとして機能する可能性がある」と、アニモカ・ブランズ(Animoca Brands)の共同創設者ヤット・シウ氏は、CoinDeskに述べた。「文化のミームとトークンは、本質的には、文化と時代精神の変動性の高い公共ポリマーケット(Polymarket)であり、我々はそれに相応しい展開を見ている」。

「(しかし)この取り組みがさらなる関与なしに金儲けと受け止められた場合、ミームトークンに対する冷え込みが起こり、ミームスペースから注目と流動性が失われる可能性がある。TRUMPがどのように扱われるかは、暗号資産とWeb3業界全体の信頼と評判に影響をもたらす可能性が高い」とシウ氏は付け加えた。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Donald Trump’s Official Token Surges 25%, Some Observers See it as Bet on His Presidency