トランプ氏任命のCFTC委員長、上層部を一掃

米商品先物取引委員会(CFTC)のキャロライン・ファム(Caroline Pham)委員長は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領がホワイトハウスに復帰した際に委員長に就任した共和党委員だ。ファム委員長は、ジョー・バイデン(Joe Biden)前大統領が任命した民主党の前任者、ロスティン・ベーナム(Rostin Behnam)氏の下で働いていたCFTCの多くの幹部職員を退任させた。

ファム委員長が任命した暫定職員に置き換えられたこの人事異動は、この分野でより大きな役割を果たすと見込まれるアメリカのデリバティブ規制当局であるCFTCの暗号資産(仮想通貨)監督に影響を与えるだろう。

特筆すべきは、2023年にファム氏の上級政策顧問としてCFTCに加わったハリー・ヤン(Harry Jung)氏が、CFTCの暗号資産業界との関わりを主導することだ。ヤン氏はCFTCの新たなチーフ・オブ・スタッフ代行という昇格した役職に抜擢された。

ファム委員長は、CFTCの最高法務責任者や、執行部門・広報部門、清算・リスク部門、市場監視部門、市場参加者部門の長を含む広範な上級職員の退任を発表した。また、国際問題局と立法業務を監督する部門の長も退任する。立法業務は、CFTCに主要な役割を与える可能性のある暗号資産法案に議会が取り組む見通しであるため、CFTCにとって重要な分野だ。

ファム委員長は声明で、「新政権の発足に伴い、CFTCの指導部の変更を発表できることを嬉しく思う」とし、「彼らの合計数十年にわたるCFTCへの忠実な奉仕に感謝し、こうした役職を暫定的に引き継ぐことになる有能なCFTC職員に感謝する」と述べた。

新たな最高法務責任者代行とファム委員長のチーフ・オブ・スタッフ、広報部門ディレクターは、ファム氏の委員室のスタッフから抜擢された。それぞれメーガン・テンテ(Meghan Tente)氏、ヤン氏、テイラー・フォイ(Taylor Foy)氏だ。立法室を率いるのは、以前ファム氏に政策について助言していたニコラス・エリオット(Nicholas Elliot)氏だ。

執行部門ディレクター代行には、昨年CFTCの内部告発者オフィサーに就任した元司法省のベテラン、ブライアン・ヤング(Briang Young)氏が就任する。

|翻訳・編集:林理南
|画像:キャロライン・ファム氏(Cheyenne Ligon/CoinDesk)
|原文:Trump’s CFTC Pick Clears Top Ranks of Key US Crypto Regulator