DOGEやTRUMPなど、ミームコインETF認可か──機関投資家が扱うべきか議論を呼ぶ

ミームコインのETF（上場投資信託）について現在、DOGE、TRUMP、BONKの3件の申請がSEC（米証券取引委員会）で審査されている。
あるETF発行者は、そのうちの1件が米大統領自身によって発行されたコインに関するものであるため、これらの申請を退けるのは難しいと考えている。
しかし、ミームコインは通常、ユーティリティがまったくないため、このようなファンドのローンチをめぐって倫理的な議論が巻き起こっている。

著名な金融のパイオニアたちがビットコイン（BTC）をすでに数年前に受け入れていたにもかかわらず、機関投資家がビットコインを投資手段として真剣に検討するまでには10年以上が必要だった。

しかし、年金基金、ヘッジファンド、さらには大学にも採用されたビットコイン現物ETFのローンチから1年も経たないうちに、ある発行者がさらに一歩、踏み込んでいる。

証券取引委員会へ提出された最新の書類を見ると、ドージコイン（DOGE）や米国大統領ドナルド・トランプ（Donald Trump）氏によるトランプコイン（TRUMP）を追うETFといった、ミームコインETFを市場に投入することが目論まれている。

これは単に大胆な動きだと評するには止まらない。なぜなら、特にウォール街の視点からは、DOGEとTRUMPは、全く確立されたものではなく、正当なトークンではないからだ。そしてミームコインは、ビットコインやイーサリアム（ETH）とは異なり、実際には有用性を提供しない。その価値は、各種コインを追うETFのローンチについて倫理的な議論に値すると、人々がどれだけ信じているかによって決まる。

ミームコインETFの価値とは

「ミームコインの価値については意見が大きく分かれている。私はその長期的な価値を見出せないが、他の人は異なる意見を持っている」と、ジョージタウン大学マクドノーの金融市場政策プサロスセンターで教鞭を執るジェームズ・エンジェル（James Angel）氏は述べた。「しかし、ミームコインをベースとしたETFの擁護派は、ETFのマーケティングについて非常に注意する必要がある。このようなETFを堅実な投資手段として売り込むのは極めて非倫理的だ」

ヴァルキリー（Valkyrie）の元CEOで、ミームコインではない暗号資産ETFを複数申請しているヘッジファンド、カナリー・キャピタル（Canary Capital）の創設者スティーブ・マクルーグ（Steve McClurg）氏は、個人的にはミームコインETFのファンではなく、同社は申請を検討したものの、最終的には申請しないことにしたと述べる。

「裏付けとなる（資産の）基礎がゼロに向かうように意図され設計されていることを知りながら、ETFを運営する受託者になることができるのか、私には分からない」と同氏は語った。ミームコインは正確にはゼロになるように設計されていないが、コインにまつわる大々的な宣伝が収まると、崩壊する可能性が非常に高い。

それでも、同氏はミームコインETFが最終的には承認されると考えている。トランプ大統領就任後の現地時間1月20日に辞任したゲイリー・ゲンスラー（Gary Gensler）委員長の下、証券取引委員会はこれまで幾つかのスポットビットコインおよびイーサリアムETFを承認したが、複数の発行者が初期的な書類を提出していたソラナ（SOL）のETFという可能性については、その承認を拒否した。

30件以上の申請がまだ保留中で、そのうち3件はミームコインに関連したものとなっている。

「大統領が委員を選任する証券取引委員会にとって、大統領が発行したミームコインを拒否するのは非常に難しい」とゲンスラー前委員長は述べた。