トランプ氏のミームコインで巨利を得たのはクジラ──多くの投資家の利益は100ドル以下
  • ドナルド・トランプ氏の公式ミームコインは、初期の投資家、特に1人当たり1000万ドル以上を稼いだ60人の大口投資家にとっては、非常に利益率の高いものでした。
  • このミームコインは、ソラナブロックチェーンに新たな投資家を呼び込み、トークン保有者の約50%がソラナベースのトークンを初めて購入した。
  • しかし、富の集中は著しく、40人の大口投資家がTRUMP、MELANIAの94%を保有している。

ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の公式ミームコイン「TRUMP」は、初期購入者にとっては非常に利益が大きかったが、多くの人はほとんど利益がなかった可能性が高いことが、チェイナリシス(Chainalysis)の調査で明らかになった。

推定60人のクジラ(影響力のある大口のトークン保有者を指す俗語)は、それぞれ1000万ドル(約15億5000万円、1ドル=155円換算)を超える利益を得ている。しかし、個人投資家の大半は23日の時点で損益分岐点にあった。

「10億ドル(約1550億円)相当のTRUMPトークンが発行された後、4つのウォレットがその大半を受け取り、保有または取引所への流動性提供に充てた」とチェイナリシスは述べた。「TRUMPおよび/またはMELANIAを保有するウォレットの大半は100ドル(約1万5500円)相当未満であり、リテールによる購入活動を示唆している」

ウォレットの分析によると、TRUMP保有者の77%は100ドル未満の収益であり、TRUMPまたはMELANIA保有者の80%以上は、ソラナブロックチェーン上で1000ドル(15万5000円)未満の資産を保有する投資家である可能性が高いことが分かった。

これらのトークン保有者の約50%は、おそらく初めてソラナベースのトークンを購入した人々であり、つまり、トランプ氏は市場全体に新規参入者を呼び込むのに貢献したということになる。一方、両方のトークンを1000万ドル以上保有する約40人の大口投資家が、推定でトークン全体の94%を所有していた。

TRUMPの価格は過去24時間で7%下落し、一方、MELANIAの価格は10%下落した。これは、2つの公式ミームコインに対する初期の過熱感が冷めてきたことを示しているようだ。

トランプ氏は20日の就任式の前に公式ミームコインを発行し、価格は数セントから6時間足らずで14ドルまで急騰した。CoinDeskが指摘したように、このトークンは公開後数時間で30億ドル(約4650億円)の取引高を記録し、初期購入者は7000万ドル(約108億5000万円)以上の利益を手にした。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Danny Nelson/CoinDesk
|原文:TRUMP, MELANIA Memecoins Made Millions for Some, Less Than $100 for Many