Ledger共同創業者の誘拐事件が浮き彫りにする “現実世界” でのリスク
  • 暗号資産(仮想通貨)ウォレット開発企業Ledger(レジャー)の共同創業者デビッド・バランド(David Balland)氏がフランス中部で誘拐され、その後、救出された。
  • ロイター通信とル・パリジャン紙によると、バランド氏は腕に大怪我をしているという。
  • 暗号資産コミュニティのメンバーを狙った強盗事件が増加している。

暗号資産(仮想通貨)ウォレット開発企業Ledger(レジャー)の共同創業者デビッド・バランド(David Balland)氏とその妻は、フランスで身代金目的で誘拐されたが、警察により救出され、数日間にわたって飛び交っていた噂に終止符が打たれた。

パリ検察ロール・ベッカウ(Laure Beccuau)氏は、バラード氏と妻は現地時間21日早朝にフランス中部の自宅で誘拐され、異なる場所で監禁されていたと述べたと24日、ロイター通信は伝えている。ベッカウ氏によると、犯人は身代金を暗号資産で支払うよう、もう1人の同社共同創業者に連絡したという。

ロイターによると、フランス特殊部隊GIGN(ジャイジェン)も加わった警察の作戦によって、バラード氏は22日に解放され、妻は23日に発見された。バラード氏は、重傷を負った片手の治療を受けるために病院に搬送されたが、詳細は伝えられていない。現地紙ル・パリジャンは、犯人らはバラード氏の指を切断し、身代金を要求するために送りつけたと報じた。

「デビッドと彼の妻が無事に解放され、今では安全であることを私たちは深く安堵しています」と、Ledgerの会長兼CEOパスカル・ゴティエ(Pascal Gauthier)氏は声明で述べた。

今週初め、Ledgerの共同創業者の1人が誘拐されたという噂がソーシャルメディアで広まった。同社のもう1人の共同創設者エリック・ラルシュベック(Eric Larchevêque)氏が被害者という報道は誤りであることが判明した。その時点で米CoinDeskはLedgerに確認を求めたが、同社はコメントを控えた。

「最優先事項は、法執行機関が職務を遂行し、捜査の完全性を守ることでした」とゴティエCEOは述べた。

「進行中の捜査の重要な詳細情報を保護することに関して、法執行機関の要請を尊重した。同様に報道関係者にも感謝している」

今回の事件は、強気相場が続き、多くの投資家が富を得るなか、暗号資産トレーダーや業界関係者を狙った強盗や犯罪が増えているという憂慮すべき状況を示す最新事例となった。例えば、カナダ最大の暗号資産取引所の親会社WonderFi(ワンダーファイ)のCEO、ディーン・スカーカ(Dean Skurka)氏は、昨年トロントで身代金目的で誘拐され、100万カナダドル(約72万660ドル)の身代金を支払った後、無傷で解放された。

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「ここ数カ月、西ヨーロッパに住む暗号資産トレーダーを狙った現実世界での強盗事件が増えている」とさまざまなブロックチェーン情報の提供で人気のZachXBTはTelegramに投稿した。

「これらの事件はいずれも、暗号資産コミュニティでよく知られた人物が銃を突きつけられたものだ。今の市場サイクルが続くなか、勝利を誰と分かち合い、(現実世界で)誰と合うのかに十分注意してほしい」

|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
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|原文:Ledger Co-Founder’s Kidnapping Highlights Threat of Crypto Robberies