- 暗号資産市場は1月27日、強気の清算が7億7000万ドルに達し、1月18日以来の月間最高水準に近づいた。
- ソラナ(SOL)とドージコイン(DOGE)は10%以上下落し、主要コインの中で最大の損失を記録した。一方、イーサリアム(ETH)、バイナンスコイン(BNB)、エックス・アール・ピー(XRP)、カルダノ(ADA)は9%下落した。
- 大規模な清算イベントは、市場のセンチメントやポジショニングに関する実行可能な手がかりを提供してくれるものでもある。
ビットコイン(BTC)が10万ドルを下回ったことで、過去24時間で暗号資産(仮想通貨)価格の上昇に対する強気な賭けは7億7000万ドル(約1193億5000万円、1ドル=155円換算)の清算を被り、主要コインの一部が急速に勢いを失っている。
ソラナ(SOL)とドージコイン(DOGE)は10%以上下落し、主要コインの中で最大の損失を記録した。一方、イーサリアム(ETH)、バイナンスコイン(BNB)、エックス・アール・ピー(XRP)、カルダノ(ADA)は9%下落した。27日のアジア時間午後の時点で、市場全体の時価総額は8.5%減少した。
トップ20以外のトークンやさまざまなセクターでも同様の低迷が見られ、ミームコインであるぺぺコイン(PEPE)、レイヤー1の新興企業のアプトス(APT)、Gate.ioのGATE、AIエージェント作成プラットフォームVirtualsのVIRTUALSは18%も下落した。
ジュピター(JUP)は、取引プラットフォームで生じた手数料から公開市場でトークンを買い戻すという決定を背景に、過去24時間で3.5%上昇し、唯一の上昇したトークンとなった。これは、年間で数億ドルの純購入量に相当する可能性がある。
ビットコインはトレーダーが今年最初のアメリカ連邦公開市場委員会(FOMC)を前に利益確定売りに走ったことで、27日早朝に9万9000ドルを下回った。また、トレーダーらが中国を拠点とするDeepSeekのコストと能力に関する情報を消化したために下落した米国株の先物を追随した。DeepSeekは、OpenAIが主導するAIの高コストの物語を脅かす存在だ。
暗号資産の先物市場はこれらの損失を反映し、BTCに連動する商品のトレーダーは、主にヨーロッパとアジアの午後の早い時間帯に、過去24時間で2億3800万ドル(約368億9000万円)の損失を被った。SOLとDOGEのベットは累計で5000万ドル(77億5000万円)、アルトコインに連動する商品は1億3800万ドル(約213億9000万円)、イーサリアムに連動する先物は8400万ドル(約130億2000万円)の損失を被った。
単一注文で最大の清算は、HTXのテザー担保のBTC取引で、9840万ドル(約152億5200万円)相当の損失だった。
トレーダーがレバレッジ取引を維持するのに十分な資金を持たない場合、清算が行われる。暗号資産市場のボラティリティが高いことから、清算は日常的に発生しているが、今回のような大きなイベントは、今後の市場心理やポジショニングの判断材料となる場合がある。
清算は行き過ぎた市場を知らせるシグナルとなり、価格修正が起こったことを示す。一方で、清算のボリュームが多い価格チャートのエリアは、清算ポジションからのさらなる売り圧力がなくなることで価格が反転する可能性がある支持線あるいは抵抗線として機能することがある。
しかし、市場が下落を続ける場合、ショートポジションを持つトレーダーはこれを裏付けと見なし、さらにポジションを増やす可能性もある。逆に、逆張りのトレーダーは大量の清算を買いの好機と見なし、売り圧力が弱まった時点で価格が回復すると期待しているかもしれない。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Solana, Dogecoin, XRP Plunge 10% as Bloody Start to Week Sees $770M Long Liquidations