ビットコイン価格暴落で短期保有者が撤退──CMEの建玉残高は過去最大の減少
- 多くの指標が、1月27日の下落中にビットコイン価格が底を打ったことを示していた。
- 資金調達率はマイナスとなり、アメリカに上場しているETFは1月中旬以来初めて資金流出を経験した。
ビットコイン(BTC)の短期保有者は、1月27日に価格が急落したため、損失を被って市場から撤退したようだ。デリバティブ商品のトレーダーも降参したため、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の先物取引の未決済の賭け金は大幅に減少した。
CoinDesk Indexesによると、最大の暗号資産(仮想通貨)は2週間で最大4.7%下落した。そのため、Glassnodeが155日未満の保有履歴を持つアドレスと定義する短期保有者は損失を出し、最大2万1000BTC(22億ドル、約3410億円)を取引所に送金した。
売却の前兆となることが多い取引所への移管は今月2番目に大きく、年初に価格が過去最高値の10万8000ドル付近にあったときに購入した者が、価格が突然9万ドル台に下落したことに驚いたことを反映しているかもしれない。
これらのアドレスは、現役トレーダー、新規参入者、弱気派が所有しており、価格変動に敏感に反応し、価格が下落すると、しばしば屈してしまう傾向がある。週末に中国の新興企業ディープシーク(DeepSeek)がAIとテクノロジーにおけるアメリカのリーダーシップに異議を唱えたことで、BTCは9万8000ドルを下回った。
他の市場でも、しばしば価格の底値で観測されるような全面的な降伏の兆候が見られた。例えば、BTCの永久先物の資金調達率はマイナスに転じ、弱気な賭けに対する需要が強まっている兆候が見られた。これは通常、ビットコインが1月13日に9万ドルを下回った時や、円キャリートレードの巻き戻しが発生した8月5日など、ビットコインが底値に達した時に見られる。
また、機関投資家の活動を代行するシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)でもリスク回避の動きが見られ、半導体メーカーのエヌビディア(Nvidia)の株価が2桁台の下落となったのに伴い、建玉残高が大幅に減少した。Glassnodeのデータによると、ビットコインの建玉残高は過去最大の24億ドル(約3720億円、ビットコイン換算で1万7000BTC)減少し、ベーシスを押し下げた。
アメリカのビットコイン現物ETF(上場投資信託)では、4億5760万ドル(約709億2800億円)の大量流出が発生した。ファーサイド(Farside)のデータによると、同様の流出は1月13日にも発生している。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:CMEのビットコイン建玉残高の1日毎の変化。(Glassnode)
|原文:Short-Term BTC Holders Quit, CME Open Interest Slid by Record During Monday’s Price Drop