マイクロストラテジーの優先株、機関投資家には魅力
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- マイクロストラテジー(MicroStrategy)は、永久優先株式の募集により、ビットコイン(BTC)の購入資金調達のための新たな道を切り開こうとしている。
- 一部のアナリストは、この新しい手段が大きな成功を収める可能性があると考えている。
- ブラックロック(BlackRock)のPFFは、優先株式に特化した米国最大のETF(上場投資信託)で、約150億ドル(約2兆3300億円、1ドル=155円換算)のAUM(運用資産残高)を持つ。
マイクロストラテジーは、大量のビットコインを購入するための独創的な資金調達で他をリードしてきたと言っても過言ではないだろう。エグゼクティブ・チェアマンのマイケル・セイラー(Michael Saylor)氏に率いられた同社は今週、永久優先株式(STRK)の募集によって、また新たな戦線を切り開いた。
優先株式は、企業のバランスシート上、エクイティと負債の中間に位置し、投資家に企業の所有権を与えながら、債券の一定のリターンを提供する。
マイクロストラテジーのアナリストであるベン・ワークマン(Ben Werkman)氏は、満期リスクのなさ、安定した利回り、オプションとしての株式のアップサイドのために、優先株式が機関投資家にもたらす魅力についてXに投稿した。
「優先株式には満期リスクがないため、一定の収入蓄積のために転換社債型新株予約権付社債のシェアを奪うシナリオも考えられる。優先株式は、これまでのどの転換社債型新株予約権付社債よりも、また(株式よりも)間違いなく大きく利益を生む可能性を秘めている」
ビットワイズ・インベストメンツ(Bitwise Investments)のアルファ戦略責任者、ジェフ・パーク(Jeff Park)氏も同様の見解で、マイクロストラテジーの優先株を市場で最も魅力的な証券のひとつであり、次世代の投資手段であると評して、次のように語った。
「STRKは完璧に近い商品だ。STRKは2つの勝利のチャンスをもたらす。第一に、金利が下がれば、元本に大きな恩恵がある。第二に、マイクロストラテジー株が先に上がれば、転換してボラティリティの高い資産を保有するという大幅にイン・ザ・マネー(ITM)なオプションもあるし、直接売却することもできる」
米国優先株式ETFの最大手はブラックロックのiシェアーズ・プリファード・アンド・インカム・セキュリティーズETF(iShares Preferred and Income Securities ETF:PFF)で、運用資産はおよそ150億ドル。PFF ETFの最大の保有者は、ボーイング、ウェルズ・ファーゴ、シティ・グループといった大手企業である。
マイクロストラテジーの永久優先株の最終的な価格条件は最終決定され、1月30日の市場取引終了後に発表される予定である。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:マイケル・セイラー氏(CoinDesk/Danny Nelson)
|原文:Institutions Are Primed for MicroStrategy’s Preferred Stock Sale, Say Analysts