テスラ、第4四半期に保有ビットコインの評価額を引き上げ──6億ドルの利益を計上
  • テスラのビットコイン保有量は安定していたが、同社はその評価額を引き上げた。
  • 同社は、バランスシート上でビットコインを保有する企業としては6番目に大きく、9720BTCを保有。
  • 全体的な利益が予想を下回ったにもかかわらず、株価は時間外取引で上昇。

イーロン・マスク(Elon Musk)氏率いるテスラ(Tesla)は、保有する暗号資産(仮想通貨)を四半期ごとに時価評価することを認める新しい会計規則を利用したようだ。

テスラの第4四半期決算報告によると、2024年末時点で保有する9720ビットコイン(BTC)の評価額は10億7600万ドル(約1667億8000万円、1ドル155円換算)。これは、数四半期前の1億8400万ドル(約285億2000万円)から増加している。この変化に加え、同社は保有する暗号資産からGAAP(一般に公正妥当と認められた会計原則)ベースで6億ドル(約930億円)の利益を計上した。ちなみに、第4四半期のGAAPベースの利益は全体で23億ドル(約3565億円)だった。

米国財務会計基準審議会(FASB)の新しい規則では、暗号資産を保有する企業に対し、2025年第1四半期までに、四半期ごとに暗号資産の時価評価を開始することを義務付けている。企業はそれ以前に独自の判断でこの規則を利用でき、テスラはそれを実行したようだ。

この新しい規則が導入される前は、暗号資産を保有する企業は、保有期間中の最低評価額で報告することが義務付けられていた。

テスラ全体の第4四半期の調整後1株あたり利益(EPS)は0.73ドルで、予想の0.76ドルを下回った。ビットコイン保有による利益はGAAPベースのものであり、調整後EPSには影響しなかった。株価は時間外取引で3.5%上昇している。

ビットコイン・トレジャリーズ(Bitcoin Treasuries)によると、テスラは9720BTCを保有しており、バランスシート上でビットコインを保有する企業としては6番目に大きい。

|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:イーロン・マスク氏(Daniel Oberhaus/Flickr)
|原文:Tesla Marked Up Bitcoin Holdings Valuation in Q4, Booking a $600M Gain