EU内でUSDTなどの取引を停止──BitstampとCrypto.comがMiCA対応で
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- ビットスタンプは、1月31日から欧州の顧客はテザー社のテザーとペイパル社のPYUSDを取引できなくなると発表した。
- Crypto.comは、欧州で特定の未承認トークンのサービスを停止すると発表した。
- EUのMiCAは、ステーブルコイン発行者とステーキングサービス提供者に対し、欧州市民がそのサービスにアクセスするために必要な認可を得ることを義務付けている。
デジタル資産取引所のビットスタンプ(Bitstamp)とCrypto.comは、欧州連合(EU)の暗号資産(仮想通貨)市場(MiCA)規制の下で未承認とみなされる特定のトークンサービスを停止する。
ビットスタンプは29日に顧客向けの通知で、テザー(Tether)社のテザー(USDT)やペイパル(Paypal)社のPYUSDなどのステーブルコインが1月31日からビットスタンプのプロおよびベーシックの取引モードで取引できなくなると発表した。ただし、これらの資産の保管はプラットフォーム上で許可される。
一方、Crypto.comは声明で、1月31日からテザーやPYUSD、パクソス(Paxos)社のパックスドル(USDP)などのステーブルコインに加え、Crypto.comステークド・イーサリアム(ETH)とCrypto.comステークド・ソラナ(SOL)に由来する特定のサービスを提供しないと発表した。CoinDeskはテザー社やペイパル社、パクソス社にコメントを求めた。
取引所は、暗号資産(仮想通貨)向けに策定されたEUの規則であるMiCAを遵守する必要がある。こうした規則は、ステーブルコイン発行者とステーキングサービス提供者に対し、欧州市民がアクセスできるようにするために必要な認可を得ることを義務付けている。この規則は欧州経済領域(EEA)30カ国すべてに影響を与える。
Crypto.comの広報担当者はCoinDeskに対し、「MiCAの規制要件に沿って、2025年1月31日付けで影響を受ける資産の購入を停止する」と述べた。
EU規制当局は先週、取引所に対してMiCAに基づくステーブルコイン規則の遵守を今後2カ月以内に確実にするよう求める通知を送付した。欧州証券市場監督局(ESMA)は取引所に対し、EU顧客への未承認ステーブルコイントークンの提供を停止するよう求めた。
この件に詳しい情報筋は、MiCAの下で「Crypto.comステークド・イーサリアムとCrypto.comステークド・ソラナはリキッド・ステーキング・トークン(LST)に分類される」と指摘した。一部のLSTがMiCA規制の定義の下で資産参照トークン(ART)として認定される可能性があるため、Crypto.comはこれらの資産の上場廃止を選択したと説明した。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Yuedongzi CHAI/ Unsplash
|原文:Crypto Exchanges Bitstamp, Crypto.com Suspend Some Stablecoin Services to Meet MiCA