アバランチ、12月のアップグレードで取引手数料75%削減
  • アバランチの取引コストは、フリップサイドによると、12月16日のアップグレード以降で平均75%低下した。
  • 取引数は35%以上増加している。

分散型金融(DeFi)に特化したスマートコントラクト・ブロックチェーンであるアバランチ(Avalanche)を使用するためのコストは、12月16日のアップグレード「アバランチ9000(Avalanche9000)」実施以降に大幅に低下し、その結果トランザクション(取引)数は35%以上増加した。

フリップサイド(Flipside)とビットクエリ(Bitquery)のデータによると、アップグレード以降、アバランチのガス代(取引手数料)は、それ以前の数カ月と比較して平均約75%低下。トランザクション数は38%増加し、1日平均35万4691件となった。

アバランチは、ネイティブトークンである暗号資産(仮想通貨)アバランチ(AVAX)の時価総額が世界第5位にのぼり、マルチチェーン構造が特長。スマートコントラクトを処理するCチェーン、ステーキングとバリデーター調整を管理するPチェーン、資産移転を処理するXチェーンからなる。

[アバランチの日次手数料とトランザクション数(フリップサイド)]

12月のアップグレードは7つの改善提案で構成されており、その中にはACP-125が含まれていた。これはCチェーン上でスマートコントラクトを実行するための基本手数料を25nAVAXから1nAVAXに引き下げるもの。1nAVAXは1AVAXの10億分の1にあたる。

アップグレードはまた、2000AVAXという高額なバリデーター手数料を、1~10AVAXの月額サブスクリプションに置き換えた。これにより、あらゆる規模のプロジェクトがアバランチ上でレイヤー1プロトコルを展開することが容易になった。

アバ・ラボ(Ava Labs)のチーフ・プロトコル・アーキテクトであるスティーブン・バトルフ(Stephen Buttolph)氏は11月にディクリプト(Decrypt)に対し、アップグレードの目的は、Cチェーンの手数料を削減し、レイヤー1バリデーターの資本要件を撤廃することで、アバランチの技術スタックのあらゆるコンポーネントをより安価にすることだと述べていた。

|翻訳・編集:林理南
|画像:アバランチの平均トランザクションコスト(Bitquery)
|原文:Avalanche Blockchain’s December Upgrade Cut Usage Fees by 75%