イーサリアムの価値向上を念頭に、スケーリング計画での更なる注力を訴える:イーサリアム共同創設者
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- イーサリアムのスケーリング計画およびネットワークアプリケーションは、ネットワークのネイティブトークンであるイーサリアム(ETH)をサポートし始めるべきで、それにより資産としての価値がさらに高まるだろうと、イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏は主張した。
- この考えは、イーサリアム財団への批判が高まる中で、イーサリアムからビットコイン(BTC)への乗り換えが進んでいることを受けたものだ。注目されるイーサリアム ・ビットコイン比率が2021年の水準にまで下落したことが背景にある。
イーサリアムのスケーリング計画およびネットワークアプリケーションは、ネットワークのネイティブトークンであるイーサリアムをサポートし始めるべきだと、イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏は現地時間1月24日に投稿している。
「トリプルポイントアセットとしてのイーサリアムの価値を支える主要素すべてを網羅する多角的な戦略を追求すべきだ」と同氏は、レイヤー2スケーリング、セキュリティ、相互運用性に関する長文投稿の中で述べた。「広く合意を得て、より大規模(L1 + L2)なイーサリアム経済の主要資産としてイーサリアムを定着させ、イーサリアムを主な担保として用いるアプリケーションをサポートすべきだ。」
ブテリン氏は、レイヤー2ネットワークに対してイーサリアムの価値を向上させるためのインセンティブを施すよう呼びかけ、手数料の一部をイーサリアムに振り分ける仕組み(例えば、手数料をバーンしたり、永続的にステーキングするなど)を導入すべきだと述べた。
このコメントは、イーサリアムが資産として競合に比べ市場規模や注目度を失っている中で、イーサリアム財団への批判が高まっている渦中に出されたものである。
イーサリアムのパフォーマンス
注目されるイーサリアム ・ビットコイン比率は2021年の水準にまで下落しており、ビットコインは現地時間1月20日時点で10万9千ドル(約1627万円、1ドル=155円換算)以上というそれまでの過去最高値を記録し、過去1年間で160%のリターンを投資家にもたらしている。一方、イーサリアムは同期間中にわずか40%の上昇にとどまり、2021年のピークからは約30%低い水準にあることがCoinDeskの分析で明らかになった。
さらに、ブテリンはイーサリアムにおけるブロブの数を増加させ、ブロブに対して最低価格を設定することを提案し、それを「別の収益源として見なすべきだ」と述べた。
「過去30日の平均ブロブ手数料を取り、(誘発された需要により)そのまま維持すると仮定し、ブロブ数が128に増加した場合、イーサリアムは年間で713000ETHをバーンすることになる」とブテリン氏は指摘した。さらに、このような好意的な需要曲線は「保証されているわけではなく」、イーサリアムの価値を高めるための単独の戦略として見なすべきではないと付け加えた。
ブロブは通常のトランザクションに追加のトランザクションデータが付加されたものである。従来とは異なり、ブロブを伴うトランザクションはメインネットのスペースを永続的に占有することはなく、18日間のみ利用可能となるものだ。
11月以降、日次のブロブ数は記録的な21000件に達しており、コインベース(Coinbase)のBASEおよびワールドチェーン(World Chain)という2種類のレイヤー2が日次のアクティビティで55%を占めている。レイヤー2に対する持続的な需要があれば、利用可能なキャパシティは急速に枯渇する可能性があることが以前、CoinDeskの分析では指摘されていた。
|翻訳・編集:T.Minamoto
|画像:Shutterstock
|原文:Vitalik Buterin Calls for Added Focus on Ether as Part of the Network’s Scaling Plans