オンド・ファイナンス、トークン化された資産向けレイヤー1ネットワークを発表
  • トークン化された現実資産(RWA)プラットフォームのオンド・ファイナンス(Ondo Finance)は、機関投資家向けのパーミッションド・レイヤー1ブロックチェーン「オンド・チェーン(Ondo Chain)」を発表した。
  • このネットワークは、セキュリティとコンプライアンスをパブリックチェーンのアクセシビリティと組み合わせる。
  • オンドは、トークン化された国債発行で第2位のプロトコルであり、数日前にはトークン化プラットフォームを発表していた。

トークン化された国債発行で第2位のオンド・ファイナンスは、トークン化された現実資産向けに設計された独自のレイヤー1ブロックチェーンをローンチし、伝統的資本市場と分散型金融をつなぐことを計画していると、同社が2月6日に開催した第1回オンド・サミットで発表した。

オンド・チェーンと名付けられたこのブロックチェーンは、イーサリアムのようなパブリックブロックチェーンの透明性とアクセシビリティを維持しながら、機関投資家水準のコンプライアンス基準を満たすように設計されていると同社は述べた。

このネットワークは、トランザクションを検証し、資産価格やトークンの裏付けなどの正確な金融データを確保するために、パーミッションドバリデーターに依存する。また、トークン化された現実資産のステーキングや、相互運用性のためのブロックチェーン間のネイティブブリッジもサポートする。

ネイサン・オールマン(Nathan Allman)CEOは声明で、「金融市場のアップグレードの機は熟しきっている。我々は、伝統的金融とブロックチェーン技術の長所を結びつけるエコシステムを構築している」と語った。

エコシステムのネイティブトークンであるONDOは、発表後に変動が激しく、1.5%下落した後、3.5%上昇した。発表直後、ドナルド・トランプ米大統領とその家族が支援する分散型金融プロトコルのワールド・リバティ・ファイナンシャル(World Liberty Financial)が、ONDOトークンに47万ドル(約7100万円、1ドル=151円換算)を投資したことがブロックチェーンデータで示された。

オンドの最高戦略責任者であるイアン・デ・ボーデ(Ian De Bode)氏は、6日にニューヨークで開催されたオンド・サミットのプレゼンテーションの中で、「我々は、驚くほど深い流動性と投資家保護を持つ伝統的金融と、オープンアクセスやイノベーション、新しいプリミティブを持つDeFiのすべての長所を組み合わせることができるものを開発することを目指した」と語り、次のように続けた。

「しかし、我々がこのミッションに着手したとき、本当にひとつにまとめるために必要な条件が整っていないことに気づいた。この2つを結びつけるためのインフラが存在していなかったのだ」。

今回の発表は、オンドが株式、債券、ETF(上場投資信託)をブロックチェーンレール上に移行することをサポートするトークン化プラットフォームを発表した2日後に行われた。

オールマン氏は、アメリカで新政権が発足した今、トークン化された現実資産が有意義な普及を遂げるには2~3年かかるとの見方を示した。

トークン化、つまりブロックチェーン上で伝統的資産の所有権を表すデジタルトークンを作成することは、世界的に勢いを増している。機関投資家や政府までもが、決済の迅速化や投資家への幅広いアクセスといった業務効率の改善を求めて、このプロセスを模索する動きを強めている。

マッキンゼー(McKinsey)、ボストンコンサルティンググループ(Boston Consulting Group)、21シェアーズ(21Shares)、バーンスタイン(Bernstein)の各レポートは、トークン化されたRWA市場はこの10年間で数兆ドル規模に成長すると予測している。

最近、金融界で影響力のあるリーダー数人が、トークン化されたRWAを金融イノベーションの次のフロンティアとして宣伝した。

資産運用大手ブラックロック(BlackRock)のラリー・フィンク(Larry Fink)CEOは、将来的に債券や株式がブロックチェーンレール上で取引されるようになると述べ、米国の規制当局や政策立案者に対し、セキュリティトークン向けのルールを作るよう促した。

デジタル証券会社ロビンフッド(Robinhood)の共同創業者兼CEOであるブラッド・テネフ(Vlad Tenev)氏は、トークン化によって、現在は適格投資家や富裕層に限られているプライベートエクイティ投資へのアクセスを民主化できると述べ、個人投資家向けにトークン化された資産投資を解禁するためのルール変更を提案した。

rwa.xyzのデータによると、オンド・ファイナンスはトークン化された米国債の発行で2番目の規模を誇る。同プロトコルの米ドルイールドトークン(USDY)と短期米国債トークン(OUSG)の時価総額は、それぞれ3億8500万ドルと2億6800万ドルとなっている。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Ryan Quintal/Unsplash(CoinDeskが加工)
|原文:Ondo Finance Unveils Layer-1 Network for Tokenized Assets