ビットコインは低調、ゴールドは6週連続の上昇か──米雇用統計に注目
  • ビットコインは10万ドルを下回る低調な取引が続き、トレーダーを退屈させている。
  • CryptoQuantはBTCは過大評価されていると述べている。
  • ゴールドは過去最高値で推移しており、6週連続の値上がりとなるか、注目されている。
  • 2月7日に発表されるアメリカの非農業部門雇用者数は、1月の雇用創出ペースが鈍化したことを示すと予想されている。

ビットコイン(BTC)は、過大評価されているという話題が飛び交う中、トレーダーの熱狂を捉えることができず、足踏み状態が続いている。一方、アメリカの雇用統計の発表を前に、連邦準備制度理事会(FRB)の金利計画に影響を与えるゴールド(金)は堅調を維持している。

CryptoQuantは最近の分析で、ビットコインの適正価格は4万8000ドルから9万5000ドルの間にあると示しており、現在の市場価格が9万8000ドルをわずかに上回る水準で推移していることを踏まえると、現在の市場価格は過大評価の可能性があると強調している。

この分析会社のビットコインのネットワーク活動指数は、11月のピーク時から15%急落し、3760ポイントと1年で最低水準となった。この下落は、1日あたりの取引件数が9月の過去最高値73万4000件から34万6000件へと53%も減少したことが原因だ。

2月3日朝の下落から回復して以来、BTCは10万ドルを上回る勢いを得るのに苦労している。市場のセンチメントはおそらく、トランプ政権が提案したビットコイン戦略備蓄の確立が遅々として進んでいないことが主な原因で抑制されている。

興味深いことに、エリック・トランプ(Eric Trump)氏は最近、トランプ家のワールド・リバティー・ファイナンシャル(World Liberty Financial)を通じてBTCへの投資を推奨したが、この支持は大きな上昇のきっかけとはならなかった。

それとは対照的に、ゴールド(金)は全面高となっており、TradingViewのデータによると、年初来で9%以上急騰し、1オンスあたり2882ドルという過去最高値を更新した。今週だけでも2.32%上昇しており、黄色い金属は6週連続の上昇を記録する勢いだ。UBSは、ゴールドの値上がりが「価値の貯蔵手段および不確実性に対するヘッジ手段としての永続的な魅力」を裏付け、投資家をビットコインの低調なパフォーマンスから引き離していると指摘している。

非農業部門雇用者数(NFP)に注目

2月7日には非農業部門雇用者数(NFP)の報告により、1月の雇用状況が明らかになる。FXStreetが追跡している推定では、12月の25万6000人から17万人へと雇用増加が減速すると見込まれている。失業率は4.1%で安定を維持し、平均時給は前月比で0.3%上昇して12月のペースに並ぶと予想されている。

予想を大幅に下回る結果となれば、トレーダーはFRBの利下げペースが速まる可能性を再考し、10年物国債利回りは低下するだろう。そうなれば、株式やビットコインのようなリスク資産への需要が高まる可能性がある。さらに、トランプ政権が10年物国債利回りの低下に重点を置いていることを考えると、10年物国債利回りは急落する可能性もある。

その一方で、関税の脅威を背景に好調なデータが出れば、FRBにとっては問題が複雑化するだけであり、リスク回避につながる可能性もある。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin in a Mire, Gold Eyes 6th Straight Week of Gains as Jobs Data Looms