ETH、強気相場に向かうか──8月の底値時と似た値動き
  • イーサリアムの値動きは、価格が底を打った昨年8月に観察されたパターンと似たものになっている。
  • OTC(相対取引)デスクとイーサリアム現物ETFには今週、大量の資金が流入しており、押し目買い需要の兆候を見せている。
  • オプションのフローは強気予想を示唆している。

イーサリアム(ETH)の値動きは、昨年8月初旬に底値を記録した頃に見られたパターンを繰り返しており、今後の強気相場再来を示唆している。

イーサリアムは12月中旬以降、32%安の2770ドルまで急落し、ライバルのビットコイン(BTC)に大きく遅れをとっている。ボラティリティは2月3日に最高潮に達し、価格は複数の取引所で2000ドル近くまで急落したが、同日には2700ドルまで反発し、1日の振れ幅としては2021年9月以来最大となった。

劇的な双方向の値動きにより、コインベース(Coinbase)やビットスタンプ(Bitstamp)などのプラットフォームでの取引高が急増し、8月以来の水準を記録した。

取引高の急増は、売り圧力が週初にピークに達した可能性が高く、市場に潜在的な売り手が少なくなったことを意味する。これが価格を安定させ、ラリーの舞台を整える可能性がある。

8月5日に見られたパターンは、まさにそれであった。その日イーサリアムは、好調な取引高を記録した後に価格が上下し、2100ドル前後の安値をつけた。そして2200ドルから2800ドルのレンジで数週間安定し、その後、価格が4100ドルまで上昇する新たな上昇トレンドに入った。

歴史は繰り返されるのだろうか。

イーサリアムの値動き(TradingView/CoinDesk)

3日の下落局面での需要は、強気の主張を裏付けている。

「私はイーサリアムの強いOTC需要に注目している。週末のボラティリティの中でファンドが失敗するというブローカーの話がある中では、特に注目すべきことである」と、暗号資産マーケットメーカー、ウィンターミュート(Wintermute)のOTCトレーダー、ジェイク・オストロフスキス(Jake Ostrovskis)氏は4日、CoinDeskに語った。

さらに、ファーサイド・インベスターズ(Farside Investors)によると、米国上場のイーサリアム現物ETF(上場投資信託)は今週、4億2000万ドル(約630億円、1ドル=151円換算)の純流入を記録した。これは登場以来の総流入額31億8000万ドルの約13%にあたる。

これだけでは十分でないとすれば、デリビット(Deribit)では今週、3500ドルのコールオプションのロングポジションと、5000ドルのコールオプションのショートポジション(いずれも2025年12月26日満期)を含む、大規模なブル・コール・スプレッドが行われた。この戦略の狙いは、年末までに5000ドル以上への上昇で利益を得ることだ。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:ArtTower/Pixabay
|原文:Ether May Be Ready for a Bull Run as Price Action Mirrors August Bottom