冴えないイーサリアム、だがTVLは上昇:シティ
  • イーサリアム(ETH)は今年20%以上下落しているが、ファンダメンタルズは改善しているとシティはレポートに記した。
  • イーサリアムのTVL(Total Value Locked)は急上昇しているという。
  • 一方、ビットコイン(BTC)のドミナンスは現在、数年来の高水準にあると同行は述べた。

イーサリアムは年初来で20%以上下落し、パフォーマンスは低調だが、ファンダメンタルズは改善しており、TVL(Total Value Locked)は急上昇していると、シティ(Citi)は2月10日のリサーチレポートで述べた。

「この数週間、ユーザー・アクティビティは不安定だが、ファンダメンタル面の背景はそれほど不鮮明ではない」(レポート)

また同行は、TVLが急上昇していること、イーサリアムETF(上場投資信託)への資金流入が依然として続いていること、検索での関心も高まっていることを指摘した。

2024年11月の米大統領選以降、イーサリアムETFへの資金フローはプラスに転じ、昨年7月のスタートからの合計資金流入額は32億ドルに達したとレポートは記している。

一方で、レイヤー2やソラナ(Solana)などの競合チェーンにおけるユーザー数増加は、イーサリアムの競争優位性に疑問を投げかけているという。

トランプ大統領のWorld Liberty Financial(ワールド・リバティ・ファイナンシャル)はイーサリアムを2億ドル以上保有しており、これは「米国(政府)が暗号資産業界への支援を強化することを示す一端」と見なされる可能性があるとシティは述べた。

「イーサリアムとアルトコインの相対的なパフォーマンスは、米国における規制の明確化の継続について、業界がどれほど楽観的かを測る指標となる可能性がある」とレポートは続けている。

またシティは、イーサリアムの低迷はビットコインのドミナンス(市場全体の時価総額に対するビットコインの割合)の上昇と同じタイミングで起きていると指摘した。ビットコイン・ドミナンスは現在、60%を超える数年来の高水準にある。

|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:Shutterstock
|原文:Ether Has Underperformed, but Total Value Locked on Ethereum Is Rising: Citi