フランクリン・テンプルトン、5億9400万ドルのトークン化MMFをソラナに拡大
  • フランクリン・テンプルトンは、オンチェーン米政府マネーマーケットファンドの取引をサポートするブロックチェーンにソラナを追加。
  • このファンドの時価総額は5億9400万ドル(約914億8000万円、1ドル154円換算)で、トークン化MMFとしては3番目の規模。
  • イーサリアムは依然として最も人気のあるネットワークだが、最近はトークン化MMFの発行者からのソラナへの関心が高まっている。

フランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)は、トークン化されたマネーマーケットファンドのなかで3番目の規模を誇るオンチェーン米政府マネーマーケットファンド(FOBXX)をソラナで利用できるようにした。これは、ソラナへの関心が高まっていることを示す兆候だ。

FOBXXはすでにイーサリアム(Ethereum)、コインベース(Coinbase)のベース(Base)、アプトス(Aptos)、アバランチ(Avalanche)でも利用可能で、これらはすべて昨年追加された。ステラ(Stellar)ネットワークが主要ブロックチェーンとして機能している。同社は12日にこの拡大を発表した。

ソラナは、新規トークン(主にミームコイン)や分散型取引の主要な場として浮上している。パンテラ・キャピタル(Pantera Capita)のレポートによると、分散型取引所(DEX)に登場する新規トークンの90%以上をソラナが占めている。これは、2023年後半の1%から上昇している。

「イノベーションがソラナで始まらなくても、最終的にはソラナにたどり着く」とパンテラ・キャピタルのコスモ・ジャン(Cosmo Jiang)氏とエリック・ウォラック(Eric Wallach)氏はレポートに書いている。

rwa.xyxのデータによると、2021年にスタートしたFOBXXは、時価総額5億9400万ドル(約914億8000万円)にまで成長。ハッシュノート(Hashnote)の「Short Duration Yield Coin(USYC)」やブラックロック(BlackRock)の「BlackRock USD Institutional Digital Liquidity Fund(BUIDL)」に後れを取っている。

トークン化は、暗号資産(仮想通貨)の採用において最も急速に成長している分野の1つだ。これは、債券やコモディティ、ファンドのような伝統的な金融資産を、より効率的に運用して迅速に決済するためにブロックチェーン経済に導入する機関投資家が増えているからだ。ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)、マッキンゼー(McKinsey)、ブレバン・ハワード(Brevan Howard)のレポートでは、トークン化は数兆ドル規模の市場機会であると予測している。

勢いを増すソラナ

スマートコントラクトネットワークのイーサリアムは、トークン化の取り組みのエコシステムをリードしており、52%の市場シェアを誇り、トークン化されたRWA(現実世界)の総額は38億ドル(約5900億円)相当にのぼる。rwa.xyzのデータによると、イーサリアムのレイヤー2であるZKsync Eraがこれに続いている。ソラナは1億3500万ドル(約207億9000万円)で7位だ。

フランクリン・テンプルトンがソラナに拡大したことは、トークン化の取り組みにおけるソラナへの関心が高まっていることを示す最新の兆候だ。1月下旬には、RWAトークン化プラットフォームのセキュリタイズ(Securitize)が、BUIDLを含むファンドをソラナに拡大した。

ヘッジファンドのスカイブリッジ(SkyBridge)の創設者兼マネージングパートナーのアンソニー・スカラムッチ(Anthony Scaramucci)氏は12日のインタビューで、ソラナのスピードと効率性を称賛し、トークン化の世界で「競争に勝つ」だろうと語った。

|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:フランクリン・テンプルトンのジェニー・ジョンソンCEO(Shutterstock/CoinDesk)
|原文:Franklin Templeton Expands $594M Market Money Fund to Solana