リップルとギャラクシー、ムーンペイに1億6000万ドルを融資──ミームコイン「TRUMP」のローンチを支援
  • ギャラクシー・デジタルとリップルからの融資は、暗号資産取引所のムーンペイがドナルド・トランプ氏の公式ミームコインの需要に対応するのに役立った。
  • この大規模な需要は土曜日に発生し、週末のためムーンペイの法定通貨口座はアクセスできず、さらに翌月曜日は大統領就任式の祝日だった。
  • この状況により、ムーンペイはTRUMPの取引需要を満たすために必要な1億ドル(約154億円、1ドル154円換算)以上の流動性にすぐにアクセスできなかった。

1月18日にドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の公式ミームコインが発行されたあと、暗号資産(仮想通貨)取引所のムーンペイ(MoonPay)が同コインのローンチに伴う需要を処理する上で、ギャラクシー・デジタル(Galaxy Digital)とリップル(Ripple)からの融資が極めて重要な役割を果たしたことが、新しいポッドキャストで明らかになった。

公式ミームコイン「TRUMP」は、大統領就任式の数日前にローンチされた。このトークンのローンチは予想外の動きで、トランプ氏はミームコインと直接関係する初の大統領となった。

このトークンの時価総額は、発行時点の約2億ドル(約308億円)から48時間以内に100億ドル(約1兆5400億円)超に急上昇し、取引所全体でスポットと先物の上場承認を獲得して、2日間で200億ドル(約3兆800億円)超の取引高を記録した。

この大規模な需要は土曜日に発生し、週末のためムーンペイの法定通貨口座はアクセスできず、さらに翌月曜日は大統領就任式の祝日だった。

この状況により、ムーンペイはTRUMPの取引需要を満たすために必要な1億ドル(約154億円、1ドル154円換算)以上の流動性にすぐにアクセスできず、通常通りの業務を行うには短期融資しか選択肢がなかった。

ムーンペイの社長であるキース・グロスマン(Keith Grossman)氏は、CEOのイヴァン・ソト-ライト(Ivan Soto-Wright)氏とCFOのムーナ・シアラ(Mouna Siala)氏とともに、同社には約1億ドル(約154億円)相当のステーブルコイン「USDコイン(USDC)」が必要だと見積もっていた。

ギャラクシーに融資を打診

そこで、ギャラクシー・デジタルのCEOであるマイケル・ノヴォグラッツ(Michael Novogratz)氏が融資の打診を受けた。合意を取り付けた後、ムーンペイはすぐに必要書類を準備し、同社の準備金を保管しているブラックロックの幹部による審査を経て、返済能力があることを確認した。

リップルに追加資金を求める

だが、TRUMPへの需要はさらに高まり、メラニア(Melania)大統領夫人の「MELANIA」トークンもローンチされたため、1億ドルでは流動性要件を満たすことができなくなった。そのため、ムーンペイはさらに6000万ドル(約92億4000万円)の資金を求めることになった。グロスマン氏はその後、リップル社のCEOであるブラッド・ガーリングハウス(Brad Garlinghouse)氏と連絡を取り、「トランプトークンの需要を過小評価していた」と説明した。

ムーンペイのソト-ライト氏の個人資産全額の担保提供を含む綿密な審査を経て、リップルは、追加で必要な6000万ドルを拠出。ムーンペイはさらに、準備金に担保権が設定されていないことを証明する必要があった。

ムーンペイは、祝日が明けてようやく準備金にアクセスできるようになった1月21日に、融資を全額返済。同社はその週に75万人の新規ユーザーを獲得した。

TRUMPの価格は、驚異的なローンチにもかかわらず、1月19日のピークから79%下落している。

|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:BarBus/Pixabay
|原文:Ripple, Galaxy Execs Loaned $160M to Moonpay So That They Could Support TRUMP Memecoin Launch