金裏付けのトークンが低迷──ウォール街は金の押し目買いを呼びかけ

- PAXGやXAUTなどの金に裏付けられた暗号資産は、金価格の下落に伴い過去1週間で1%下落した。
- 一方、暗号資産市場は急上昇しており、同期間にCoinDesk 20 Indexは5.7%上昇した。
- ウォール街の銀行は金に対して強気な見方を維持しており、価格目標は1オンス当たり3000ドルに達している。
金に裏付けられた暗号資産(仮想通貨)はこの1週間に低迷している。金価格が今年これまでに10%以上上昇した後、大幅な下落を見せたためだ。この下落は、トランプ氏の関税が交渉の道具であるとの憶測が広がる中で起きたものだ。
パクソス・ゴールド(PAXG)やテザー・ゴールド(XAUT)などの金に裏付けられたトークンは、暗号資産市場が上昇する中、過去1週間でおよそ1%下落し、2900ドル(約43万5000円、1ドル150円換算)前後で取引されている。同期間にCoinDesk 20 Index(CD20)は5.7%上昇し、より広範なマーケットベクター・デジタル資産100インデックス(MVDA)は3.4%上昇した。
金価格は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が脅しをかけた新たな関税には交渉の道具としての意図があるとの憶測が高まる中で下落した。これにより、金や米ドルを含む安全資産の価格が打撃を受けた。
トランプ大統領は、他国がアメリカからの輸入品に課している関税に見合う相互的な関税を検討していると発表した。相互的な関税の実施には数カ月かかる可能性があり、これはアメリカが他国と交渉できるようにするという意図があるとの憶測につながっている。
しかし、モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)の最近のレポートによると、金価格の最近の下落は、世界的なリフレーション、地政学的緊張、財政支出の増加の中で「ヘッジを求める人々にとっての機会」を提供する可能性があるという。ウォール街の大手銀行は最近、金価格の予測を引き上げており、これは金に裏付けられたデジタル資産の価格上昇にも寄与するだろう。これらのデジタル資産は金庫に保管された金塊に裏付けられているためだ。
シティ(Citi)のストラテジストらは最近、短期的な金価格目標を1オンス当たり3000ドルに、今年の平均予測を2900ドルにそれぞれ引き上げた。一方、UBSは12カ月間の金価格目標を3000ドルに引き上げた。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Scottsdale mint/Unsplash
|原文:Gold-Backed Tokens Underperform While Wall Street Calls for Dip Buying in Precious Metal