アルゼンチン野党、リブラトークンのツイートめぐり大統領に弾劾の脅し:ロイター

- アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領が、後に暴落した、中小企業を支援するとされる暗号資産を称賛したことで弾劾の脅しに直面している。
- ロイター通信によると、野党議員の一人は、このスキャンダルは「国際的な規模で我々を恥ずかしめている」と述べた。
アルゼンチンのハビエル・ミレイ(Javier Milei)大統領は、中小企業支援を意図していたとされるリブラ(LIBRA)と呼ばれる暗号資産(仮想通貨)を支持したことで弾劾の脅しに直面している。このトークンは数時間のうちに暴落し、数十億ドルの価値を失った。ロイター通信が報じた。
ミレイ大統領は14日遅くに、現在は削除されているX(旧Twitter)の投稿の中で、リブラをアルゼンチンの中小企業のための資金調達を目的とした民間プロジェクトとして宣伝し、自身はこのプロジェクトから個人的な利益を得る立場にはないと説明していた。
ミレイ大統領のツイートの正当性をめぐる混乱の中、このトークンの時価総額は急速に約45億ドル(約6750億円、1ドル150円換算)まで上昇した。大統領のアカウントが乗っ取られたのではないか、詐欺師に騙されたのではないかとの憶測も飛び交った。
ミレイ大統領は5時間後に投稿を削除。「プロジェクトの詳細を知らなかった」とし、今は情報を得ており、その宣伝を続けないことを選択したと述べた。
その後市場はパニックに陥り、Kobeissi LetterとBubblemapsのデータによると、インサイダーが8740万ドル(約131億円)相当のトークンを現金化した。トークンの時価総額は90%暴落し、40億ドル(約6000億円)以上の時価総額が消失した。
アルゼンチンのフィンテック協会は、リブラの事例は「ラグプル(出口詐欺)」である可能性があると述べた。ラグプルとは、開発者が初期販売で現金を受け取った後にプロジェクトを放棄することを指す。
ロイターによると、アルゼンチン野党連合のメンバーであるレアンドロ・サントロ(Leandro Santoro)議員は15日、「このスキャンダルは国際的な規模で我々を恥ずかしめており、大統領に対する弾劾要求を開始する必要がある」と述べた。
|翻訳・編集:林理南
|画像:ハビエル・ミレイ大統領(Shutterstock)
|原文:Argentina Opposition Threatens Milei With Impeachment Over LIBRA Token Tweet: Reuters