Blockchain.com、新役員を任命しIPOに向けて前進
  • Blockchain.comは、今後行われる可能性のあるIPOに向けて準備を進める中、ジャスティン・エバンス氏をCFOに、マイク・ウィルコックス氏をCOOにそれぞれ任命した。
  • 上場を目指す暗号資産企業の数は増加しており、Blockchain.comもそれに加わる。
  • 機関投資家への普及が拡大し、SECがよりバランスの取れたアプローチを取るようになったことで、暗号資産企業の上場にとって好ましい環境が生まれている。

暗号資産(仮想通貨)取引所でありウォレットプロバイダーでもあるBlockchain.comは、金融および運営の専門知識を持つ2人のベテラン幹部を任命することで、今後行われる可能性のある新規株式公開(IPO)に向けて新たな一歩を踏み出した。

ブルームバーグの報道によると、Blockchain.comは、ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)での勤務経験があるジャスティン・エバンス(Justin Evans)氏を新しい最高財務責任者(CFO)として雇用した。また、ベロシティ・グローバル(Velocity Global)の元CFOでありポイント72(Point72)の元ポートフォリオマネージャーでもあるマイク・ウィルコックス(Mike Wilcox)氏を最高執行責任者(COO)に任命した。

エバンス氏は、Blockchain.comは「公開市場が利用可能な場合に、上場企業になるために必要な措置を講じている」と述べた。

この動きは、サークル(Circle)、クラーケン(Kraken)、ブリッシュ・グローバル(Bullish Global、CoinDeskの親会社)、ジェミナイ(Gemini)、リップル(Ripple)、ビットゴー(BitGo)など、他の暗号資産企業も上場を検討していると相次いで報じられる中で行われた。

ブラックロック(BlackRock)やフィデリティ(Fidelity)を含む大手企業が暗号資産分野でETF(上場投資信託)商品を立ち上げたことを受けた機関投資家への普及拡大と、米証券取引委員会(SEC)がデジタル資産に対してよりバランスの取れたアプローチを取ると予想されることで、こうした企業の上場にとってより好ましくなる可能性のある環境が生まれつつある。

Blockchain.comの評価額は時間とともに変動してきた。2021年3月、同社はシリーズCの資金調達ラウンドで3億ドル(約450億円)を調達し、資金調達後の評価額は52億ドル(約7800億円)に達した。2022年に完了した資金調達ラウンドでは評価額は140億ドル(約2兆1000億円)に増加した。一方、2023年11月には1億1000万ドルの資金調達ラウンドを完了させ、評価額は70億ドルとなった。

|翻訳・編集:林理南
|画像:Lo Lo/Unsplash
|原文:Blockchain.com Takes Step Towards IPO With New Executive Appointments