ブレバン・ハワード・デジタル、イーサリアムベースのKintoに約30億円を投資──機関投資家のDeFiへの関心の高まり示す
  • 資産運用会社ブレバン・ハワード・デジタル(Brevan Howard Digital)のアブダビ支社は、イーサリアム上に開発されたオンチェーン金融ネットワーク「Kinto」に2000万ドル(約30億円、1ドル=152円換算)を投資した。
  • KintoはKYC(本人確認)やAML(アンチマネーロンダリング)といったコンプライアンス機能をブロックチェーンレベルで統合しており、機関投資家にアピールしている。
  • この投資は、伝統的金融会社がDeFiエコシステムに関与する傾向が強まっていることを示すものだ。

世界的な投資運用会社の暗号資産(仮想通貨)部門であるブレバン・ハワード・デジタルのアブダビ支社は、分散型金融(DeFi)への機関投資家の参加を目的に設計されたブロックチェーンプラットフォーム、Kintoに2000万ドルを投資した。

この投資により、ブレバン・ハワード・デジタルはKintoのオンチェーンマイニングプログラムを利用する最初の伝統的金融会社のひとつとなったと、同プロトコルは述べている。

Kintoはイーサリアムのレイヤー2ネットワークとして運営されている。KYCやAMLプロトコルを含むコンプライアンスメカニズムが組み込まれており、厳しい規制要件に直面する金融機関が分散型金融に参加することを容易にしている。また、債務不履行保険とセキュリティ強化を備えたスマートコントラクトウォレットも提供している。

Kintoのマイニングプログラムは10年間実施される予定で、Kintoに資産を預けることに対してトークン報酬を提供することで、参加者にインセンティブを与える。マイニングプログラムはDeFiセクターの定番であったが、コンプライアンス上のハードルから伝統的金融機関にはおおむね、手が出せないものであった。

ブレバン・ハワード・デジタルの参加は、特にKintoのようなプラットフォームが機関投資家のニーズに適応するにつれて、ブロックチェーンベースの金融に対する伝統的金融会社の関心が高まっていることを示すものであると、Kintoの共同設立者兼CEOのラモン・レクエロ(Ramon Recuero)氏は述べている。

「機関投資家は、規制の明確化とコンプライアンス機能の2つを待ち望んできた。Kintoによって、金融機関はもはや待つ必要はなくなった」と、レクエロ氏は声明で述べた。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Kintoの共同設立者兼CEOラモン・レクエロ氏(Kinto)
|原文:Brevan Howard Digital Deploys $20M on Ethereum-Based Kinto in Institutional DeFi Push