ビットコイン、9万4000ドルを割り込む──50万ドル到達の予測を変えないアナリストも

暗号資産(仮想通貨)の不安定な値動きは2月18日も続き、ビットコイン(BTC)はここ数カ月で最も低い水準に近づいた。
米国時間午後早くには、ビットコインは9万3600ドルで取引されており、過去24時間では2%安、過去1週間では10%安となっている。
より広範な暗号資産市場のベンチマークであるCoinDesk 20 Indexは、過去24時間で4%下落した。同指数を直撃したのはソラナ(SOL)の16%の下落である。
アルゼンチン大統領ハビエル・ミレイ氏が関与したラグプル騒動で、週末にミームコイン市場がついに不正、もしくは犯罪のピークに達した様相を呈しており、ソラナもダメージを受けている。ソラナは現在、過去1カ月で35%下落しており、トランプ氏の米大統領選勝利後の値上がり分を完全に失っている。
50万ドルの可能性はまだ健在
スタンダード・チャータード(Standard Chartered)銀行のジェフ・ケンドリック(Geoff Kendrick)氏は以前、ドナルド・トランプ大統領の退任までにビットコインが50万ドルを超えると予想していると述べた。
ケンドリック氏は18日、短期的な低迷を横に置けば、ビットコインETFの機関投資家保有に関する最近の米証券取引委員会(SEC)への提出書類「13F」が希望を与えてくれていると述べた。
ケンドリック氏は、買い手のタイプはリテールからヘッジファンド、そして現在では銀行や政府系ファンドへと進化しており、ゴールドマン・サックスなどがETFの保有比率を高めていることや、アブダビがビットコインETFを初めて購入したことを指摘した。
「今後、ビットコインを購入する超長期のロングオンリー資金が増えると予想され、アブダビのポジションは、政府系ファンドによるより大きな参加の始まりになると予想される」と、ケンドリック氏は語った。
ソラナ低迷
ソラナに関連する各プロトコルのネイティブトークンも、ダメージを免れなかった。分散型取引所レイディウム(Raydium)、ジュピター(Jupiter)のトークンは18日、2桁の値下がり率を記録し、リキッドステーキングサービスのジト(Jito)は7%安と、いずれも14日の高値から30%以上下落した。
ソラナエコシステムは、ミームコイン取引とトークン発行のハブとして大きな恩恵を受けているが、ミームコインのリブラ(LIBRA)をめぐる騒動の影響に苦しんでいる。リブラは最新の「パンプアンドダンプ(吊り上げと売り叩き)」トークンで、ソラナ界の複数の重要人物とアルゼンチンのミレイ大統領さえも苦境に立たされている。
リブラは14日にリリースされ、このプロジェクトがアルゼンチンの中小企業を支援するというミレイ大統領のXへの投稿の後、時価総額40億ドルまで急上昇した。
その後、インサイダーが1億ドル相当を清算し、ミレイ大統領がサポートを撤回したため、トークンは市場価値のほぼすべてを失った。ミレイ大統領は現在、詐欺容疑での告発と弾劾の可能性に直面しており、ソラナベースの分散型取引所メテオラ(Meteora)の共同創業者ベン・チョウ(Ben Chow)氏は、リブラのローンチに関与しているとの指摘を受け辞任した。
「これは、ソラナのミームコインシステムから生まれた最新の卑劣な事例である」と、ギャラクシー(Galaxy)のリサーチ責任者であるアレックス・ソーン(Alex Thorn)氏は18日発表のレポートで述べている。同レポートは、「TRUMP」トークン以降、ミームコインに対するセンチメントが悪化し始めたと指摘している。
すでにセンチメントがどん底でなかったとしても、ソラナトークンの流通量を増やすアンロックが控えており、それが市場にさらなる不確実性をもたらしている。
放出されるトークンの正確な数に関する予想はさまざまだが、あるヘッジファンドのアナリストは、現在の価格でおよそ25億ドル相当の約1572万5000枚のソラナが今後3カ月でアンロックされると予想し、その多くはFTX破産管財人の保有トークンによるものだと述べた。
「この規模のアンロックが発生すれば、ソラナの流通供給量が増加し、市場力学に影響を与える可能性がある」とTokenomistのアナリストはXの投稿で述べ、次のように続けている。
「大規模なトークンのアンロックは過去に、しばしば価格のボラティリティを高めてきた。しかし、アンロックの正確な規模や最終的な日付は、どの公式機関からもまだ公表されていないことに注意する必要がある」。
|翻訳・編集:山口晶子
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|原文:Bitcoin Slumps Below $94K, but One Analyst Says $500K Forecast Remains in Play