LN Trends 2025年2月(vol.4)

暗号資産(仮想通貨)取引所bitbankを運営するビットバンクが公開した「LN Trends」最新号を転載してお届けします(LN:Lightning Network)。
マイナス手数料が導入された「Boltz Pro」のベータ版が開始

参照:Boltz Pro
概要:Boltzは、プロユーザー向けのアプリ 「Boltz Pro」 のベータ版をローンチしました。
基本的な機能は通常版のBoltzと同じですが、Boltz Proの特徴として、スワップ時にマイナス手数料が適用されることで、収益を得られる可能性がある点が挙げられます。
説明:マイナス手数料を導入することで、ユーザーに対してBoltzの流動性をバランスさせるインセンティブを提供します。
例えば、メインチェーンとLightning Network(LN)のスワップにおいて、メインチェーン側の流動性が枯渇した場合、スワップ手数料が-0.15%などのマイナス手数料に動的に切り替わることがあります。流動性が回復すれば、手数料はプラスに戻り、状況に応じて変動します。
また、通常版とプロ版の違いの一つとして、メインチェーンからLNへのスワップにおける最小数量が挙げられます。プロ版では約100万satsと大口の取引が前提となっており、大規模な資金移動を行うプロユーザー向けに設計されています。一方、通常版では2.5万satsと比較的少額から利用可能です。
Boltz Proは実験的な取り組みであり、将来的にはモニタリングツールや拡張機能の追加も検討されています。また、マイナス手数料の発生を通知するTelegram Botも提供されています。(参考)
Lightspark、アメリカとメキシコでUniversal Money Address(UMA)送金が可能に

参照:Lightspark公式ブログ
概要:Universal Money Address(UMA)を利用することで、アメリカの銀行口座保有者が米ドル(USD)を送金し、メキシコの銀行口座保有者が数秒以内にメキシコペソ(MXN)で受け取れるようになりました。
説明:このサービスはリアルタイムで24時間365日利用可能で、送金の裏側ではLNが活用されています。新しいアプリのダウンロードは不要で、UMAはメールアドレスのようなシンプルな形式で送金できます。
アメリカとメキシコ間の個人送金額は2024年に過去最高の約650億ドル、企業間取引は約8400億ドルに達すると予測されています。UMAを活用することで、迅速かつ低コストな送金が可能となり、利便性が向上します。
AQUAウォレットを開発するJAN3がFulgur Ventures主導で500万ドルの資金調達

参照:JAN3公式ブログ
概要:JAN3は、AQUAウォレットの開発および機能拡張を加速するため、シードで500万ドルの資金を調達しました。
説明:この資金調達のリード投資家はFulgur Venturesであり、BitcoinおよびLiquid Networkのエコシステム発展において、JAN3のアプローチが重要な役割を果たすという考えから支援が行われました。
投資家リストは次のようになります。
Fulgur Ventures(リード)、Grupo Salinas、Tether, Lightning Ventures、East Ventures、Plan B Fund、Bitcoin Opportunity Fund、NYDIG。
AQUAウォレットは、Liquid Network対応のウォレット であり、LNでの入出金に対応しています。ただし、ウォレット内ではBoltzのスワップ機能を通じて、LN上のBTCがLiquid Network上のL-BTCに変換される仕様となっています。
今回の資金調達により、クレジットカード対応、ローン機能、オンランプ・オフランプの導入など、さらなる機能拡張が予定されています。
また、資金調達後の重要な発表として、ニック・サボ氏がJAN3のチーフサイエンティストとして参画することが明らかになりました。同氏は、金融政策、国際貿易など、さまざまな金融分野におけるBitcoinの影響について調査を行う予定です。(参考)