デジタル人民元のローンチ日に再度の言及:中国人民銀行

中国の中央銀行にあたる中国人民銀行は、同国のステーブルコインプロジェクトはいまだに試験段階で、ローンチの日程は定まっておらず、オンライン上では偽情報が出回っていると述べた。

デジタル人民元は正式にはデジタル通貨電子決済(DCEP)と呼ばれる。国家ステーブルコインが2019年11月20日にローンチすることを示すカウントダウン付きAPIを掲載したウェブサイト「DECPAPI.com」が立ち上がったが、今回の中国人民銀行による声明は、その直後に発せられた。

「DC/EPやDCEPという名で市場で取引されているものは、国家デジタル通貨ではなく、インターネット上で示唆されているローンチ日程はすべて、不正確なものである」と、中国人民銀行は11月13日、声明の中で述べた。

中国人民銀行はさらに投資家らに対して、デジタル人民元の名を利用して行われる詐欺やポンジ・スキームの増加を警告した。

「DCEPの取引許可を与えたプラットフォームは存在しない」と同行は述べ、次のように続けた。「デジタル人民元の『取引』に人々を惹きつけるため中央銀行のふりをする企業の存在に投資家は注意する必要がある。誤解を与えるような情報に溢れている可能性がある」

中国人民銀行は、同行の決済部門の指揮のもとに2014年に設立されたデジタル通貨研究所(Digital Currency Research Institute)を通じてステーブルコインの開発を行っている

比較的静かに5年間の開発期間を経たが、2019年6月のフェイスブック(Facebook)によるリブラ構想の公表を受け、中国人民銀行はDCEPについての詳細をより多く公表するようになった。

フォーブス(Forbes)は2019年8月、匿名の中国政府当局者を情報源として挙げ、デジタル人民元のローンチは11月11日になると報じた。中国人民銀行は9月、その日程を否定し、その先の80日間、つまり12月10日までにステーブルコインをローンチする計画はないと述べた。

翻訳:山口晶子
編集:T. Minamoto
写真:Chinese currency renminbi via Shutterstock
原文:Fake Website Prompts China’s Central Bank to Deny Digital Yuan Launch