機関投資家、ビットコインETF保有高が前四半期の3倍、約5兆8800億円相当に
  • 機関投資家は2024年第4四半期、ビットコイン現物ETF(上場投資信託)の保有額を3倍に増やし、387億ドル(約5兆8800億円、1ドル=152円換算)相当に達したことが 米証券取引委員会(SEC)への提出書類で明らかになった。
  • 米ウィスコンシン州の投資委員会や著名投資家ポール・チューダー・ジョーンズ(Paul Tudor Jones)氏のヘッジファンドなどの大手ファンドが、ビットコインETFの保有額を大幅に増やした。
  • ブラックロック(BlackRock)のiシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)は現在、1100を超える機関投資家が保有しており、初年度のETFとしては過去最高となる可能性がある。

ビットコイン(BTC)の価格は不安定かもしれないが、大手金融機関がさらに投資を続けるのを止めることはなかった。

米証券取引委員会(SEC)に提出された書類「フォーム13F」のデータによると、年金基金やヘッジファンドなどの大規模機関投資家は、2024年第4四半期にビットコイン現物ETFの保有額を3倍に増やした。

暗号資産(仮想通貨)インデックスファンド運用会社ビットワイズ(Bitwise)のマット・ホーガン(Matt Hougan)最高投資責任者によると、機関投資家は2024年第4四半期、387億ドル相当のビットコイン現物ETFを保有していた。これは、124億ドル分の保有しか報告されなかった第3四半期の3倍以上である。

1億ドル以上の資産を持つ投資家は、SECによって四半期ごとに保有資産を報告することが義務付けられている。

ビットコインETFが米国で初めて発売された2024年1月以降、複数のヘッジファンドや年金基金などがファンドを買い始めた。それ以降、ウィスコンシン州の投資委員会が12月31日時点でブラックロックのiシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)の保有口数を600万口強に増やしたように、過去1年間で保有を増やしたところもある。

同様に、ビリオネアのヘッジファンド投資家であるポール・チューダー氏は、IBITの保有口数を442万8230口から804万8552口へとほぼ倍増させた。

一方、投資家キース・マイスター(Keith Meister)氏が2010年12月に設立した資産運用会社コーベックス・マネジメント(Corvex Management)は、第4四半期末時点でIBITを100万口以上保有していることを明らかにした。

ブルームバーグ・インテリジェンス(Bloomberg Intelligence)のシニアETFアナリスト、エリック・バルチュナス(Eric Balchunas)氏によると、1100の機関投資家が現在、「フォーム13F」を通じてIBITの保有を報告している。同氏によると、新規に立ち上げられるETFの多くは通常、機関投資家の保有者数が10以下である。

「確認する方法はないが、私の推測では、これまでの(新規ETFの機関投資家保有者数の)初年度の記録は(おそらく)350くらいだったはずだ」と、バルチュナス氏は述べている。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Rokas Tenys / Shutterstock.com
|原文:TradFi Investors Piled $38.7B Into Bitcoin ETFs, Three Times More Than Previous Quarter